連立方程式の利用 <応用問題(2)> 中2数学
連立方程式の利用の基本的な問題が解けない場合は『連立方程式の利用<基本篇>』からチャレンジして、『連立方程式の利用<応用問題(1)>』でステップアップすることをおススメします。
※問題はPDFのリンクもありますのでダウンロードしてプリントしてから解くことをおススメします。
連立方程式の利用 <応用問題(2)>
連立方程式の利用としては通常レベルの問題になっていると思いますが、もっと難しい問題に挑戦したい人は【連立方程式[難しい問題]】にチャレンジしてみてください!
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問題に取り組むときの流れは・・・
1.問題を解く
2.丸つけをする
※間違えた問題はハッキリと×をつける。
3.間違えた問題、できなかった問題、あやふやだった問題の解説を読んで理解する。
連立方程式の場合、式の意味を考えることも重要!
4.解説を見ずにやり直す。
2~4を繰り返す。
※注意※
解説を見ながら問題を解いては自分の力にならないので、解説見ないで解くようにしましょう!
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連立方程式の応用<問題>
■問題
問題をダウンロード(PDF)⇒ 連立方程式の利用<応用問題(2)>
【1】A中学校の2年生200人が数学のテストを受けた結果,全体の平均は62点で,男子の平均点は60点,女子の平均点は65点だった。A中学校の男子と女子の人数をそれぞれ求めなさい。
【2】A君は12kmのランニングコースのスタート地点を出発し,分速200mで走っていたが,コースの途中から分速80mで歩いてゴールした。このときのスタートからゴールまでのタイムは,分速200mで走りぬいたときより18分多くかかった。A君が走った時間と歩いた時間はそれぞれ何分か求めなさい。
【3】ある列車が,長さ550mの鉄橋を渡り始めてから渡り終わるまでに,30秒かかりました。また,この列車が,長さ1000mのトンネルに入り始めてから出終わるまでに,48秒かかりました。この列車の長さを求めなさい。ただし,鉄橋を渡るときおトンネルを抜ける時の速さは一定のものとする。
【4】ある工場で,先月は製品Aと製品Bを合わせて3000個作りました。今月は先月と比べて製品Aを25%少なく,製品Bを50%多く作ったので,全体では先月より30%多く作りました。今月作った製品A,Bの個数をそれぞれ求めなさい。
【5】ある中学校の昨年度の全校生徒は,男女合わせて620人だった。今年度は,昨年と比べて,男子が2%減り,女子が5%増えたので,全体で10人増えた。今年度の男子と女子の生徒数はそれぞれ何人か求めなさい。
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連立方程式の利用 問題の解説
応用問題はただ解き方を学ぶのではなく、考え方を学ぶ意識がないとなかなか成果が出ません。なぜその式になるのか、知らない人に説明できるくらいに深く考えてみましょう。
問題【1】の解説
小学生の頃に何回も計算した平均の問題ですね。
男子と女子の人数を求めなさいという事なので、男子の人数を $ x $ 人、女子の人数を $ y $ 人とします。
平均点の求め方は【 平均点=合計点数÷人数 】です。※コレは大丈夫ですよね?
この式に今回与えられている数値と文字を代入していくと、
【男子】60=合計点数÷ $ x $
⇒ 合計点数=60 $ x $
【女子】65=合計点数÷ $ y $
⇒ 合計点数=65 $ y $
【全体】62=合計点数÷200
⇒ 合計点数=62×200
となります。
上の考え方さえできれば、
【式1】男子の人数+女子の人数=生徒数
$ x+y=200 $
【式2】男子の合計点+女子の合計点=全体の合計点
$ 60x+65y=12400 $
この2つの式を連立方程式で解けば答えが出ます。
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問題【2】の解説
A君が走った時間を $ x $ 分、歩いた時間を $ y $ 分とします。
まずは、スタートからゴールまでの時間ですが、12kmのコースを分速200mで走りぬいたときより18分遅かった‥ということで、全体の時間は
12000÷200+18=78(分)
これで、全体の距離と時間が分かりました。走った時間と速さ、歩いた時間と速さが分かるので【全体の距離の式】と【全体の時間の式】で連立方程式を作っていきます。
【式1】走った時間+歩いた時間=全体の時間
$ x+y=78 $
【式2】走った距離+歩いた距離=全体の距離
$ 200x+80y=12000 $
この2つの式を連立方程式で解けば答えが出ます。
※12kmを12000mに単位を合わせるのを忘れずに!!
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問題【3】の解説
列車の長さを求める問題ですが、速さも分からないので、列車の長さを $ x $ 、列車の速さを秒速 $ y $ mとします。
鉄橋もトンネルも入り始めてから出終わるまでの時間ですので、走った距離は鉄橋・トンネルの長さに列車の長さも加わります。このことを忘れずに式を作っていきましょう。
【式1】鉄橋を渡る時間の式
$ (550+x)÷y=30 $
【式2】トンネルを通る時間の式
$ (1000+x)÷y=30 $
この式で列車の長さが求められます。
※トンネルの問題が苦手な人は【連立方程式】トンネルの問題の解き方
※トンネルの問題の質問に答えている記事もあります⇒【質問の解説】連立方程式~トンネルの問題
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問題【4】の解説
割合の問題ですね。
方程式や連立方程式の割合の問題は、指定がない限りは割合の元になっているほうの数字を $ x、y $ とした方が計算がラクなのでおススメです。
今回の場合は先月の製品Aの生産数を $ x $ 、先月の製品Bの生産数を $ y $ とします。
※今月の生産数を $ x、y $ にしても求められますが、計算が面倒で間違いやすくなるのでおススメしません。面倒な方が好き( ゚Д゚)!!計算大好き!!という人はぜひチャレンジしてください(-_-)
今月の生産量は先月より30%多いので3900個となります。
【式1】先月の生産数の式
$ x+y=3000 $
【式2】今月の生産数の式
$ \frac{75x}{100} $+$ \frac{150y}{100} $$ =3900 $
このまま、$ x と y $ を答えにしてしまわないこと!
$ x と y $ は先月の生産数ですので
Aの今月の生産数=$ x×0.75 $
Bの今月の生産数=$ y×1.5 $
ということになります。
一次方程式や連立方程式を解くと、そこで計算が終わった‥と思ってしまう中学生が多いのですが、自分が求めた数が何の数なのかという事を確認して答えを記入しましょう!
※割合の問題が苦手だと思った人は⇒連立方程式の応用問題:割合の問題、連立方程式の応用問題:割合の問題2問 コチラで詳しく説明しています。
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問題【5】の解説
この問題も割合の問題ですから、去年の男子数を $ x $ 、去年の女子数を $ y $ としましょう。
そこが分かると後は簡単です。
【式1】去年の生徒数の式
$ x+y=620 $
【式2】今年度の増減数
$ -0.02x+0.05y=10 $
この2つの連立方程式の $ x と y $ は去年の人数ですので、今年の人数に計算すればOK!
※ 割合の表し方を、問題【4】は分数で、問題【5】は小数で表しましたが、わり切れる数なら、表しやすい方で大丈夫です。好きな方で計算しましょう!
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連立方程式の利用 問題の解答
【1】
男子 120人、女子 80人
【2】
走った時間 48分
歩いた時間 30分
【3】
列車の長さ 200m
【4】
製品A 600個
製品B 3300個
【5】
男子 294人
女子 336人
難しいと思った人は、どこで難しいと思ったのか考えてみましょう。もしかすると、難しいのは連立方程式じゃなくて、「割合」の考え方だったり、「みはじ」の計算かもしれません。
そういう苦手なところを見つけたら、苦手部分を克服できるようにするといいですね。
このサイト内にも解説ページはあると思いますよ^^
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