中学 数学 高校入試向け 難問にチャレンジ[考え方のコツ]
難問と言っても基礎・基本の考え方ができて、コツがつかめれば解ける問題も多いんですよ^^
自分にはまだ無理かな‥と思う人も、今回の問題にチャレンジして、難しいと思ったら基礎・基本を見直しておきましょうね!
※この記事は高校受験に向けて、難問にチャレンジすることでステップアップをしたい中学3年生向けの記事です。
入試の難問にチャレンジしよう!
※注意※
今回は難問にチャレンジしてみたい中学生のための記事ですので、基本的な部分の説明は極力省いて解説をしていきます。
今回の問題で、説明を省いた部分が理解できていない場合は、基礎・基本ができていないという事ですので、基礎・基本の問題を解き直すことをおススメします。
基礎・基本ができているからこそステップアップができます。焦らず基礎固めをするようにしてくださいね!
問題:関数の難問
下の図のように、関数 $ y=ax^2 $ のグラフと直線Lがあり、2点A、Bで交わっている。
Lの式は $ y=2x+3 $ で、A、Bの $ x $ 座標はそれぞれ -1、3である。
このとき、次の【1】、【2】の問いに答えなさい。
【1】$ a $ の値を求めなさい。
【2】直線 L 上に点Pをとり、Pの $ x $ 座標を t とし、tの範囲を 0<t<3 とする。また、Pを通り $ y $ 軸に平行な直線を m とし、m と 関数 $ y=ax^2 $ のグラフとの交点、$ x $ 軸との交点をそれぞれ Q、R とする。
さらに、Pを通り $ x $ 軸に平行な直線と $ y $ 軸との交点をS、Qを通り $ x $ 軸に平行な直線と $ y $ 軸との交点をTとする。
(1)t=1のとき、長方形STQPの周の長さを求めなさい。
(2)長方形STQPの周の長さが、線分QRを1辺とする正方形の周の長さと等しいとき、tの値を求めなさい。
問題:空間図形の難問
下の図のような、底面が1辺 $4\sqrt{ 2 }$ cm の正方形で、高さが6cm の直方体がある。
辺ABの中点をP、辺ADの中点をQとするとき、次の【1】~【3】の問いに答えなさい。
【1】線分PQの長さを求めなさい。
【2】四角形PFHQの面積を求めなさい。
【3】線分FHと線分EGの交点をRとする。また、線分CRの中点をSとする。このとき、Sを頂点とし、四角形PFHQを底面とする四角錘の体積を求めなさい。
解説:関数の難問
今回のような関数の問題の場合、問題を考える前に、下のように問題文から分かる情報をグラフに書き込んでみましょう!
情報をまとめることによって、考えがまとまりやすくなる効果もありますから試してみてね^^
【1】a の値を求めなさい。
$ y=ax^2 $ の a を求める問題です。
A(-1,1) か B(3,9) のどちらかの座標を使えば a は求められます。
【2】(1)t=1のとき、長方形STQPの周の長さを求めなさい。
今回の問題は、P、Q、R、S、T という5つの点が追加されますので、下の図のように、どのような点になるのかをグラフに書き込んでみましょう!
※特に難問と言われる難しい問題では、頭の中で考えているだけでは情報をまとめにくく、考えにくくなりますので、必ず書きこむようにしましょう!
上の図のように記入すると、辺PSと辺TQの長さが1だということ。
Qの座標とPの座標を出せば辺STと辺QPの長さが求められるという事に気付けますよね?
Q(1,1)、P(1,5) ですので、辺STと辺QPの長さは4という事になります。
【2】(2)までの問題がキツイと思った人は基本て泣き問題の解き直しをしておきましょう!
【2】(2)長方形STQPの周の長さが、線分QRを1辺とする正方形の周の長さと等しいとき、tの値を求めなさい。
「線分QRを1辺とする正方形の周の長さと等しいとき」となっていますので、方程式が使えるな‥と考えられるといいですね^^
※辺の長さを出すために、x座標を使うのか、y座標を使うのかをシッカリと考えよう!
まず、長方形STQRの周の長さを考えてみましょう。
辺TQ=tですので、辺TQ+辺PS=2tということになります。
辺QPは、(Pのy座標-Qのy座標)ですので、
Pのy座標(2t+3)-Qのy座標( $ t^2 $ )=$ -t^2+2t+3 $ となります。
辺ST+辺QPの長さはその2倍ですので、$ 2(-t^2+2t+3) $
上の2つの式の和が長方形STQRの周の長さになります。
$ 2t+2(-t^2+2t+3)=-2t^2+6t+6 $
線分QRを1辺とする正方形の周の長さは、辺QR=$ t^2 $ ですので、$ 4t^2 $ ということになります。
長方形STQRの周の長さ=正方形の周の長さ ですので、
$ -2t^2+6t+6=4t^2 $
問題にある 0<t<3 という条件も忘れずに!
解答
【1】1
【2】(1)10
(2)$ \frac{1+\sqrt{ 5 }}{5} $
解説:空間図形の難問
【1】線分PQの長さを求めなさい。
空間図形の問題ですが、下の図のように、問題の部分を切り取って、平面で考えるようにしていきましょう!
辺AP+辺QA= $2\sqrt{ 2 }$ 、∠A=90° ‥の三角形ですので、三平方の定理で計算しても、1:1:$\sqrt{ 2 }$ で計算してもOK!
【2】四角形PFHQの面積を求めなさい。
コチラの問題も問題の部分を切り取って、下の図のように平面で考えます。
辺PFは△PBFで三平方の定理が使えますので、
$ 6^2+(2\sqrt{ 2 })^2=PF^2 $
$ PF=2\sqrt{ 11 } $
上の図で点Pから辺FHに垂直に引いた線とFHの交点をXとすると、辺PFの長さと辺FXの長さが分かるので、辺PXも三平方の定理で求めることができます。
$ PX^2=(2\sqrt{ 11 })^2-2^2$
$ PX=2\sqrt{ 10 }$
高さが求められればあとは台形の面積を出すだけです。
面積=$ \frac{1}{2} $$×(4+8)×2\sqrt{ 10 }$
=$ 12\sqrt{ 10 }$
【3】線分FHと線分EGの交点をRとする。また、線分CRの中点をSとする。このとき、Sを頂点とし、四角形PFHQを底面とする四角錘の体積を求めなさい。
まずは、自分がもっているリソースで足りないものが何なのか‥という事を把握しましょう!
四角形PFHQからSまでの高さを求めれば、四角錘SPFHQの体積を求められますので、まずは高さを考えていきましょう。
高さを求めるために、四角形PFHQの面、点R・Sが分かりやすい平面はどこにあるのか‥という事を考えてみましょう。
そうすると、AEGCで切り取ると四角形PFHQの面、点R・Sが同じ平面上に表すことができることに気付けると思います。そこに気付けたら下のように図を書いてみましょう。
※この場合、情報をまとめ、考える元になれば良いので、フリーハンドで書いてもOK!
↓更に情報や線を書き加えてみます。
XRの高さを表す線や【1】、【2】等で導き出した情報などを書き込んでいくと、相似な図形を見つけたり、三角形の面積から高さが出せそうだ‥と気付くことができます。
この問題の場合は、△XRCの面積が18㎠、点SはRCの中点ですので、△XRSの面積は9㎠ということが分かります。
辺XRの長さは【1】で求めていますので、底辺が $2\sqrt{ 10 }$ で△XRSの面積が9㎠ なので、高さが求められる‥ということになります。
$ \frac{1}{2} $$ ×2\sqrt{ 10 }×高さ=9 $
高さ=$ \frac{9\sqrt{ 10 }}{10} $
高さが求められれば体積は下の式で求められます。
※$ 12\sqrt{ 10 } $ は【2】で求めた四角形PFHQの面積。
体積=$ \frac{1}{3} $$ ×12\sqrt{ 10 }× $$ \frac{9\sqrt{ 10 }}{10} $
解答
【1】4 cm
【2】$12\sqrt{ 10 }$ ㎠
【3】36 ㎤
中学生の数学:難問を解くコツ
難問と言われる難しい問題でも、多くの場合は、基本をしっかり身につけて使えるようにしておけば解ける問題が多いんです。
今回の関数の問題は、【1】は基本的な問題で、【2】(1)の問題も基本問題か発展問題、【2】(2)の問題が難問(難しい問題)となっていますが、難問とは言っても、座標を表すことができて、方程式さえ作れれば解ける問題です。
空間図形の問題は、【1】が基本問題、【2】が発展問題、【3】が応用問題(難問)という内容です。
こちらも、どこが高さなのか、どうやって高さを求めるのかということを考えられれば解ける問題です。
どちらの問題にも共通して言えることですが、自分が考えやすいようにグラフや図に書いて情報をまとめるのが大切です。
自分が何の情報を持っていて、何の情報が足りないのか‥ということを考えられると問題が解きやすくなりますので、やってみてくださいね^^
多くの問題を解き、理解して、「解き方」ではなく、色々な「考えるパターン」を覚えること、「考える力を」つけることをおススメします!
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