連立方程式の利用 <基本的な文章問題> 中2数学

2020年12月4日

今回は連立方程式の利用・・文章問題の中でも、基本的な問題とその解説を掲載していきます。
基礎的な内容になりますので、連立方程式や文字式の基礎を見直したい人、文章問題を苦手にしている中学生向けの解説になります。
応用問題(1)をUPしました。もう少し難しい問題は後日掲載します。
※問題はPDFのリンクもありますのでダウンロードしてプリントしてから解くことをおススメします。

.

連立方程式の利用 <基本的な文章問題>

このページは連立方程式の利用の中でも、基本的な問題を解説しています。
もう少しレベルアップしたい人は↓のページをみてみましょう!


.

問題を解く前に

中学生の数学 イメージ問題を解く前に、注意しておきたいことが1点あります。
それは、「考えて解けそうな問題と、考えても解けなそうな問題を区別するようにしましょう!」ということです。
何とか解けるな‥と思ったらチャレンジしてみましょう。解けないな‥と思ったら、解説を読んでからチャレンジしてみましょう。
※解説を読みながら解くのは意味がない勉強になる可能性が高いのでやめましょう!

.

連立方程式の利用 <基本的な文章問題>

■問題
問題をダウンロード(PDF)⇒ 連立方程式の利用 <基本的な文章問題> .
.
【1】1本 80 円の鉛筆と1本 120 円のボールペンを合わせて 15 本買い,1440 円払った。鉛筆とボールペンをそれぞれ何本買いましたか。
.
【2】1個 200 円のりんごと1個 250 円のなしをそれぞれ何個か買い,1950 円払った。買った個数は,りんごがなしよりも3個多かった。りんごとなしをそれぞれ何個買いましたか。
.
【3】A さんは9時に家を出発し,3km 離れた図書館に向かった。はじめは毎分 60mの速さで歩いていたが,途中の交番から毎分 80m の速さで歩いたら,9 時 45 分に図書館に着いた。家から交番までの距離と交番から図書館まではそれぞれ何mありますか。
.
【4】大小2つの数がある。大きい数は小さい数の3倍で,大きい数から小さい数をひくと 64 になる。この2つの数をそれぞれ求めなさい。
.
【5】A 中学校の2年生の生徒数は 180 人で,このうち,男子の 12%と女子の 15%の併せて 24 人がバス通学をしている。A 中学校の男子の人数と女子の人数をそれぞれ求めなさい。

.

連立方程式の利用 問題の解説

上にも書きましたが、解説を読みながら解くのはやめましょう!
解説を読んで、理解してから自分で解くことで力がつく‥と思ってチャレンジしましょう!
せっかく勉強するんだから、自分の力になるような勉強にしましょうね^^

問題【1】の解説

※この問題は1次方程式としても解けますので、余力のある人はチャレンジしてみましょう!

まずは、何を $ x,y $ にするか考えましょう。
今回は鉛筆の本数とボールペンの本数を求める問題なので、鉛筆の本数を $ x $ ,ボールペンの本数を $ y $ とします。

※ポイント※
何を $ x,y $ にするかを最初に考え『~を $ x $ ,~を $ y $ とする』と問題用に書き込むクセをつけましょう!

2つの分からない数字があるので、連立方程式にしたい‥だから式が2つ必要‥と考えられるのですが、問題文を読むと、鉛筆とボールペンを『合わせて15本買った』という事と、その『合計金額が1440円だった』ということが分かります。
『合わせて15本買った』式と、『合計金額が1440円だった』式の2つで連立方程式が成り立つ‥という事になります。

※ポイント※
2つの式を作る材料は文章の中にあるので、シッカリと問題を読みましょう!

鉛筆の本数を $ x $ ,ボールペンの本数を $ y $ なので、『合わせて15本買った』式は、鉛筆の本数($ x $)+ボールペンの本数($ y $)=合計の本数(15本)ですので、
$ x+y=15 $ となります。

【式1】$ x+y=15 $

『合計金額が1440円だった』という式は、
鉛筆の合計金額+ボールペンの合計金額=1440円
ですので、
$ 80x+120y=1440 $

鉛筆の合計金額は80円×本数‥ですから $ 80x $、ボールペンの合計金額は120円×本数‥ですから $ 120y $ で表します。

【式2】$ 80x+120y=1440 $

【式1】と【式2】を連立方程式として解きます。
※計算の解説は省きます。計算方法は連立方程式の解き方
でチェック!

.

問題【2】の解説

※この問題も1次方程式としても解けます。どんな式になるのか考えてみましょう!

「りんごとなしをそれぞれ何個買いましたか」ということですので、りんごの個数を $ x $ ,なしの個数を $ y $ とします。
※↑$ x $と$ y $を何にするのかを決めるのが重要です(3回目^^;)※

【1】の【式1】は、併せて15本という単純なたし算でした。【2】の問題は『りんごがなしより3個多かった』という事なので、

りんご($ x $)-なし($ y $)=3
もしくは、
りんご($ x $)=なし($ y $)+3
という式が成り立ちます。

【式1】$ x-y=3 $

もう一つの式は【1】と同じく、『1950円払った』という、合計金額の式になります。
りんごの合計金額($ 200x $)+なしの合計金額($ 250y $)=1950 ですので、

【式2】$ 200x+250y=1950 $

【式1】と【式2】を連立方程式として解きます。

.

問題【3】の解説

『家から交番までの距離と交番から図書館まではそれぞれ何mありますか』ということなので、家から交番までの距離を $ x $ 、交番から図書館までの距離を $ y $ とします。

まずは情報をまとめてみましょう。
連立方程式 見端の問題の解説図
当サイト『中学生の数学』では↑のように視覚的に分かるようにまとめることをおススメしています。

この問題は「みはじ」の問題ですので、
道のり=速さ×時間
速さ=道のり÷時間
時間=道のり÷速さ
この関係を守っていればOKですし、2つの要素が分かれば、もう一つの要素も文字式として表せるという事になります。

例えば、今回の場合、家から交番までは「道のり= $ x $ m」、「分速60m」ですので、「道のり」と「速さ」が分かるので、時間を「時間=道のり÷速さ」ですから、『時間=$ \frac{x}{60} $』と表すことができます。
交番から図書館までは「道のり= $ y $ m」、「分速80m」ですので、『時間=$ \frac{y}{80} $』と表すことができます。ちなみにこの時、分速を使っていますので、時間の単位は「分」になります。
連立方程式の解説図

また、問題の方で「3km 離れた図書館」、「毎分 60m」、「毎分 80m」、「それぞれ何mありますか」というように「km」と「m」が混じっていますが、答えが「m」ですので、「3km」を「m」に直して計算を進めます。

3km=3000m
※単位の変更が不安な人は単位の変更をチェックしておきましょう!

※ポイント※ 式を作る前に単位を合わせておきましょう!

~~ココまでが準備段階~~

準備段階が終わると、式を作るのがとてもラクになります。
上の図を見ると分かると思いますが、部分の「道のり」も「時間」も $ x $ と $ y $ の式で表せますので、【道のり+道のり=合計の道のり】、【時間+時間=合計の時間】という式を作っていけばOKです。

まずは、道のりの式を作りましょう。
「家から交番までの道のり( $ x $ m)」+「交番から図書館までの道のり( $ y $ m)」=「合計の道のり(3000m)」という式になります。

【式1】$ x+y=3000 $
※上で説明していますが「3km」は「3000m」に直しておきます。

次に時間の式を作りましょう。
「家から交番までの時間( $ \frac{x}{60} $ )」+「交番から図書館までの時間( $ \frac{y}{80} $ 分)」=「合計の時間(45分)」という式になります。

【式2】$ \frac{x}{60} $+$ \frac{y}{80} $ $ =45 $

【式1】と【式2】を連立方程式として解きます。分数もありますが、先に分数をなくしてから解いてみましょう。

.

問題【4】の解説

大小2つの数を求める問題ですので、大きい方の数を $ x $ 、小さい方の数を $ y $ とします。

数を求める問題は、問題に書かれている分の通りに式を作れば解けるような問題が多いのですが、 $ x $ と $ y $ で式を作っていくと、変な勘違いをする場合もありますので、チェックしながら進めていきましょう!

『大きい数は小さい数の3倍』です。これを表す式は
【式1】$ x=3y $

となりますが、時々「$ 3x=y $」という式を作る生徒がいます。
過不足の問題等も同じでなぜか大きい数字を更に大きくしちゃいます^^;

このときのチェック方法ですが、まず【 $ x=y $ 】と書いてみましょう。
$ x $ と $ y $ 、どちらが大きいですか?
もちろん $ x $ の方が大きいということは解ると思います。
大きな数字をさらに大きくしないように‥くらいのチェックで正しい式になると思うので、まずは【 $ x=y $ 】と書いて、何もしていない状態でどちらが大きいのかチェックしてみましょう!

次に『大きい数から小さい数をひくと 64 になる』という式ですが、これはそのままですので、特に解説はしません。

【式2】$ x-y=64 $

2つの式ができたら連立方程式として解きます。

.

問題【5】の解説

「男子の人数と女子の人数をそれぞれ求めなさい」ということですので、男子の人数を $ x $ 人、女子の人数を $ y $ 人とします。
※何度も言っていますが重要なことなので‥まず、$ x $ と $ y $ を何にするか決めて、問題用紙に『男子の人数を $ x $ 人、女子の人数を $ y $ 人とする』というように書いておきましょう!

1つ目の式は生徒数で作りましょう。
『2年生の生徒数』は180人で、男子の人数を $ x $ 人、女子の人数を $ y $ 人としたから、
【式1】$ x+y=180 $

2つ目の式はバス通学をしている生徒数で作りましょう。

男子の12%の人数は‥ $ \frac{12}{100} $$ x $
女子の15%の人数は‥ $ \frac{15}{100} $$ y $
この表し方がわからない人は割合の基礎をチェック!

【式2】$ \frac{12}{100} $$ x $+$ \frac{15}{100} $$ y=24 $

この問題は、割合の問題の基本中の基本と言ってもいいくらいの問題です。
この問題が分からない場合、割合の基本ができていない可能性が高いので割合の基礎をチェックしておきましょう!

 

連立方程式の利用 問題の解答

【1】
鉛筆9本,ボールペン6本

【2】
りんご6個,なし3個

【3】
家から交番 1800m
交番から図書館 1200m

【4】
大96,小32

【5】
男子100人,女子80人

.