標本調査[2] ~問題と解説~ 【中学3年生の数学】

今回は標本調査の練習問題の解説をしていきます。
できるだけ多くの問題を解いて、自分の力にしていきましょう!

この記事は中学3年生向けの記事です。

標本調査 練習問題

ラクにプリントアウトできるようにPDFを準備していますのでご利用ください。

問題(問題PDF:標本調査 練習問題
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【1】ある中学校で生徒の睡眠時間を調べるために,標本調査を行うことになった。標本の選び方として適切なものをア~オの中から選び,記号で答えなさい。
ア 男子生徒の中から無作為に選ぶ。
イ 1年生の中から無作為に100人選ぶ。
ウ 全校生徒でくじ引きを行い100人選ぶ。
エ 身長が大きい順に100人選ぶ。
オ 欠席のない生徒の中から無作為に100人選ぶ。
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【2】袋の中に白と黒の碁石があわせて600個入っている。弧の碁石をよくかき混ぜてから無作為に30個の碁石を取り出すと、白石は12個で黒石が18個だった。袋の中の白石と黒石はそれぞれ何個入っていると推測できるか求めなさい。
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【3】ある池から魚を50匹捕獲して目印をしてから池に返しました。数日後に同じ池の魚を60匹捕獲したところ,印をつけた魚は8匹いました。この池にはおよそ何匹の魚がいると考えられるか求めなさい。
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【4】ある工場では毎月50000個の製品Aを生産しています。この中から,無作為に500個を抽出して調べたら,4個の不良品が見つかった。この製品Aを不良品を除いて20000個作るためには,製品Aを何個生産すればよいか百の位の概数で求めなさい。

 

標本調査 練習問題の解答と解説

間違っていた問題は、解説を読んで理解できたと思ったら、解説を見ずに解き直してみましょう!「解き直す」ことと「やり方を写す」のでは、全く理解度や成果が変わります。

 

問題【1】の解答と解説

答えは「ウ」という事になります。
「ウ」であれば、偏りのないデータが抽出できますが、それ以外の条件だと、データが偏ってしまいます。

標本調査の標本は、偏らないデータを集められるようにしましょう。

 

問題【2】の解答と解説

標本調査の問題としては、オーソドックスな割合の問題です。

30個の標本の中で白石が12ですので、白石の割合は $ \frac{12}{30} $=$ \frac{2}{5} $=0.4 ということは黒石は $ \frac{3}{5} $=0.6 ということになります。
※白石と黒石しか入っていないので、白石と黒石の割合の合計は 100%‥ $ \frac{5}{5} $=1 となる。

白石:600×0.4=240
黒石:600×0.6=360

●答え●
白石 およそ240個
黒石 およそ360個

 

問題【3】の解答と解説

池全体の魚の数を $ x $ とします。

魚の数:目印の数=魚の数:目印の数 という比例式をつくって池の魚の数を推測します。

ある池から魚を50匹捕獲して目印をつけた状態は、【池の魚全体の魚の数$ x $:目印の魚数(50)】になっています。
池の魚を60匹捕獲したところ,印をつけた魚は8匹というのは、【魚の数:目印の魚数=60:8】になっています。

これをつなげて
$ x:50=60:8 $
$ 8x=3000 $
$ x=375 $

となりますので、この池にはおよそ375匹の魚がいると考えられます。

 

問題【4】の解答と解説

どうすればいいか少し迷う問題かもしれませんね。

 

何個生産すればよいかを $ x $ 個とします。

生産個数:良い製品=生産個数:良い製品 という式を考えてみましょう。

500個作ったら496個が良い製品となりますので、500:496を基準に、よい製品を20000個作るときは何個作ればいいのか‥ということです。

$ 500:496=x:20000 $
$ 496x=x:10000000 $
$ x=20161.~ $

割り切れれませんが、そのままでOK!
百の位の概数なので、十の位で四捨五入すればいいのですからね!

答えは、十の位で四捨五入して、20200個 という事になります。

違う考え方としては、500個作ったら496個が良い製品となりますので、よい製品ができる割合は99.2%なので、20000個の良い製品をつくりたい場合は、20000÷0.992=20161.~ と出す方法もあります。
どちらの考え方でも、正しい考え方ですし、もちろん答えは同じになります。