【中1数学】素因数分解が分かる!

2021年5月10日

今回は素因数分解の基本から問題の解き方まで説明していきます。
中学1年生の数学の中でも、シッカリ理解して欲しい内容ですし、理解していると計算するときや応用問題を考えるときにも便利な内容です。
基礎基本からシッカリ理解できるようにしていきましょう!

この記事は素因数分解についての内容です。中学1年生の分野ですが、中学2、3年生にも理解しておいて欲しい内容になります。

素因数分解とは

中学生の数学 イメージ

素因数分解とは、自然数を素数のかけ算のカタチにすることです。
「素数」の「因数」なので「素因数」、素因数に分解するので「素因数分解」と覚えておきましょう^^

例えば、「6」を素因数分解すると、「2×3」ということになります。
文章で書かれると難しそうですが、実際にはカンタンな内容です^^

それでは、素因数分解のやり方と、なんで素因数分解なんて覚えなきゃいけないの?‥という話をします。

コトバCheck!
自然数
:自然数とは、正の整数のこと。
素数:素数とは、「1」とその数しか約数がない自然数。2・3・5・7・11… etc.
因数:因数とは、式や数をかけ算に表したときの数や文字式のこと。

↑コトバCheck!の用語は、受験でも使うのでシッカリと覚えておきましょう!

 

素因数分解のやり方

6=2×3 とか 8=2×2×2 くらいなら暗算でもできると思いますが、大きな数になると暗算では難しくなってしまいます。だから次のやり方で覚えておきましょう!

「30」を素因数分解します。

↓わり算の逆向きのような計算をしていきます。※下の図
1.30を割り切れる一番小さい素数は「2」ですので、「30」を「2」で割ります。30÷2=15
2.15を割り切れる一番小さい素数は「3」ですので、「15」を「3」で割ります。15÷3=5
3.5は素数ですので、ココまででOK!
4.30を割った数をかけ算のカタチで表します。30=2×3×5
因数分解のやり方1

数が大きくなっても考え方・やり方は同じです。
ちなみに↑では 8=2×2×2 と書きましたが、問題の答えを書く場合は $ 8=2^3 $ と書いてくださいね^^
ちなみに上の例で、一番小さな素数「2」が思いつかなかった場合、最初に「3」で割っても結果は同じになります。
素数を覚えておこう!
素数はたくさんありますが、2~19くらいまでは、覚えておくと便利です⇒2・3・5・7・11・13・17・19・23・29・31・37・・・
中学生の問題では、23以上の素数を使う問題はあまり見たことがないので、19まで覚えておくといいですよ^^

 

素因数分解の使い方

素因数分解は、最大公約数や最小公倍数を考えるときに便利です。
例えば↑で使った「30」と「42」で考えてみましょう。

42の素因数分解は↓ 
素因数分解のやり方2

30=2×3×5
42=2×3×7 です。

最大公約数は、素因数分解して、同じ因数だけを使ってかけ算をします。
最小公倍数は、最大公約数に使わなかった数もかけて求めます。※下の図

素因数分解の利用

この考え方ができると、普段の計算がラクになりますので、少し意識して計算してみてくださいね!

 

素因数分解の問題

【1】次の数を素因数分解しなさい。
(1)40  (2)324
(3)96  (4)400

【2】300 に出来るだけ小さい自然数をかけて、その結果をある整数の平方(2乗の数)にしたい。
何をかければよいか。またその結果は何の平方になるか答えなさい。

【3】48を出来るだけ小さい自然数で割って、その結果を整数の平方(2乗の数)にしたい。
何で割ればよいか。またその結果は何の平方になるか答えなさい。

 

効果的な問題の解き方 1.問題を自力で解きます※できない問題、わからない問題は解かずにとばす。
2.マル付けをします。※〇×はハッキリと!答え写しはしない。
3.解説をすべて読みます。※解説を読んでいる途中で問題を解きなおしたりしない。
4.問題を解き直し、理解できているかチェックしていきます。※解説を読みながらではなく、読んで理解してから解き直すのがポイント!

 

問題の解説と解答

【1】
(1)$ 40=2^3×5 $
(2)$ 324=2^2×3^4 $
(3)$ 96=2^5×3 $
(4)$ 400=2^4×5^2 $

【2】300を因数分解します。
$ 300=2^2×3×5^2 $

素因数分解したときに、素数の偶数乗になっていない数をかけて偶数乗になるようにします。
今回の場合は「3」だけが2乗になっていないので、
$ 2^2×3×5^2 $ に $ ×3 $ を追加することで $ 2^2×3^2×5^2 $ になります。

$ 2^2×3^2×5^2=900 $
$ 2×3×5=30 $

ある整数の平方(2乗の数)にするためには「3」をかける。
その結果、30の2平方の数(900)になります。

素因数の偶数乗になっている場合は、何かの数の2乗になっています。
例えば、$ 3^4=81=9^2 $、$ 2^6=64=8^2 $ となります。
他の数を自分で試して納得しておくといいですよ^^

【3】48を因数分解します。
$ 48=2^4×3 $

【2】の考え方と同じなのですが、素因数分解したときに素因数の偶数乗になっている数は、何かの自然数の2乗になっていますので、偶数乗になっていない数で割ります。

今回は偶数乗になっていない「3」で割ります。
「÷3」を追加すると‥↓

$ 2^4×3÷3=2^4=16=4^2 $ ということになります。

例えば、同じ問題内容で「24」なら・・・$ 24=2^3×3 $ ですので、「2」と「3」で割ります。
「÷2」と「÷3」を追加↓(「÷6」と同じ)
$ 2^3×3÷2÷3=2^2=4 $ となります。
問題のパターンは色々考えられますので、後日、練習用の問題をUPします。
理解したつもり‥で終わらせずに、素因数分解をやってみて、使って理解を深め、覚えていきましょう!