確率[1] ~確率の基本~ 【中学2年生の数学】

中学2年生の数学の最後の単元『確率』の説明をしていきます。
樹形図って、書くのが面倒だし分かりにくいんですよね^^; だから、問題を解きやすくする考え方や解き方もお伝えしていきたいと思います。

この記事は中学2年生の数学『確率』の基本・問題の解き方について解説をしています。

確率の基本

中学生の数学 イメージ

確率は、中学生で初めて習うような単元ではないんですよね。小学生の算数で、「場合の数」っていうのを習ったのを覚えていませんか?
とはいえ、今回しっかり覚えてしまえばいいので、覚えていなくても大丈夫です!

確率の基礎基本から、問題の解き方、問題を解きやすくする方法まで解説していきたいと思います。

 

確率とは

確率は、ある事柄が起こる起こりやすさの程度を数で表したものです。

天気予報などでは、降水確率60%という言い方をしますが、中学生の数学で百分率(%)はほとんど使いません。
確率は分数で表すのが基本になりますので覚えておきましょう!

どういうことなのか、確率の求め方を見た方が分かりやすいと思いますので、次に進んでいきましょう。

 

確率の求め方

確率の求め方は、起こりうる場合が全部でn通り、ことがらAが起こる場合がa通りあるとき、Aの起こる確率pは$ p= $$ \frac{a}{n} $ で求める事ができる。というようなことが教科書などにかかれていると思いますが、
確率=$ \frac{その時の場合の数}{全ての場合の数} $
↑ こんな感じで覚えておけばOKです。

簡単に ⇒ $ \frac{その時の数}{全ての数} $ でもok!

余力があれば・・・、下を読むと理解が深まります。

この確率の求め方って、割合の求め方と同じですね。

割合の求め方は、$ \frac{比べる数}{元になる数} $ ですよね。
ちなみに百分率は、$ \frac{比べる数}{元になる数} $×100(%) です。

確率の求め方は、割合の求め方と同じですので、確率は割合だ‥と考えてOK!
上でも話してますが、降水確率などは百分率(%)ですからね!

※同様に確からしい‥って‥
確率の問題は『どの場合が起こることも同様に確からしい』という考え方が根本にあります。『どの場合が起こることも同様に確からしい』というのは、『どの場合が起こることも同じくらいで片寄らない』ということです。
例えば、「サイコロ」に、おもりなどを仕込んで、ある数字の目が出やすくしている‥なんていう時には、『どの場合が起こることも同様に確か・・・』ではありませんので、その確率はあてにならないですよね。

 

樹形図とは

樹形図とは、あることが起こるうる全ての場合を数えることができる図で、全てのパターンを下の図のように書いていきます。

2人でジャンケンをする時の樹形図
樹形図さんぷる

2人でジャンケンをするので、1人目が「グー」を出したとき、2人目は「グー」「チョキ」「パー」の3通りを出す可能性があります。1人目が「チョキ」と「パー」のときも同様に、2人目は「グー」「チョキ」「パー」の3通りを出す可能性があります。

このように樹形図は全ての場合を書いていきます。

2人でジャンケンするとか、2~3枚のコインの裏表くらいなら、樹形図を書くこともそれほど手間ではないのですが、3人でジャンケンとか、4人でジャンケンとか・・・想像するだけでもイヤですよね^^;
なので、下の問題の解き方は、樹形図を書かない解き方・考え方‥で説明していきます。

 

問題の考え方・解き方

例題を使って問題の考え方と解き方を説明していきます。
確率の出し方自体は、【確率=$ \frac{その時の場合の数}{全ての場合の数} $】ですので、非常にカンタンです。

どうやって「全ての場合の数」と「その時の場合の数」を数えるのか‥が問題です。
学校ワークなどで何度か繰り返し学習をして、「場合の数の数え方」をマスターしておきましょう!

 

例題1

サイコロを2個同時に投げるたとき、出た目の合計が10以上になる確率を求めなさい。
樹形図を使わないで説明しますので、全て文字のみの説明となりますが、この方法を覚えた方が早く正確に解けますので頑張ってくださいね!
なるべく簡単に分かりやすく説明します^^;

まずは全ての場合の数を考えていきます。

2個のサイコロをA・Bとすると、Aが「1」のとき、Bのサイコロは「1~6」の6通りの目が出る可能性があります。
Aが「2~6」のときも同様に、Bのサイコロは「1~6」の6通りの目が出る可能性があります。

ということは、Aが6通り‥その全てに対してBが6通りの目が出る可能性がありますので、【6×6=36】で、全ての場合の数は「36通り」と考えられます。

次にその時の場合の数を考えてみましょう!

今回は、合計が10以上の場合の数ですので、
「A」が「1」のとき、成立しないので「0」
「A」が「2」のとき、成立しないので「0」
「A」が「3」のとき、成立しないので「0」
「A」が「4」のとき、「B」が「6」なら成立するのでココで「1通り」
「A」が「5」のとき、「B」が「5」「6」なら成立するのでココで「2通り」
「A」が「6」のとき、「B」が「4」「5」「6」なら成立するのでココで「3通り」
という事で、10以上の場合の数は「6通り」となります。

このようにすれば、樹形図のように全てのパターンを書き出さなくても、何通りあるのか数えることができるんですよね^^

そして、数えた数字を分数にすれば、確率の問題の答えとなります。

今回は、$ \frac{6}{36} $ ですので約分して $ \frac{1}{6} $ が答えとなります。

 

例題2

5人の生徒A・B・C・D・Eの中からくじ引きで2人を代表として選ぶとき、Aが代表のなかに選ばれる確率を求めなさい。
今回の場合は、「A-B」を数えたら「B-A」は同じ組み合わせですので、数えなくてもいい‥ということになります。

まずは全ての場合の数を考えていきます。

Aを基準に考えると、B~E全ての場合が考えられますので、4通りの組み合わせが考えられます。
次にBを基準に考えると、Aは既に数えているので、C~Eの3通りの組み合わせが考えられます。
同様にCを基準に考えると、A・Bは既に数えているので、D・Eの2通りの組み合わせ‥Dを基準に考えると、A・B・Cは既に数えているので、Eのみの1通りの組み合わせ‥となります。

下にまとめます。

Aを基準に考えると、B~Eの4通り
Bを基準に考えると、C~Eの3通り
Cを基準に考えると、D・Eの2通り
Dを基準に考えると、Eのみの1通り

全て合わせて「10通り」となります。

次にその時の場合の数を考えてみましょう!
って、実は既に数えてあるんですよね。Aが代表のなかに選ばれる確率ですので、上で「Aを基準に考えると~」で数えた数が今回の場合の数になります。

そして、数えた数字を分数にすれば、確率の問題の答えとなります。

今回は、$ \frac{4}{10} $ ですので約分して $ \frac{2}{5} $ が答えとなります。

いかがでしたでしょうか。
文章だけで説明すると難しいような気がするかもしれませんが、このような考え方、解き方ができると、早く正確に問題を解くことができますので、チャレンジしてみてくださいね^^

後日、【確率の問題と解説】という記事もupしていきますので、是非チャレンジしてみてください。
今回と同じような樹形図を書かない解き方‥で解説していきます。