多項式・因数分解の利用(2)証明問題 ~中学3年生の数学~
証明には型のような手順がありますので覚えていってくださいね!
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多項式・因数分解の利用(2)証明問題
多項式・因数分解の文章問題の多くは証明問題になっています。そして、中学生の数学の中でも多くの人が苦手だと感じているのが今回の『証明問題』です。どう書き始めればいいのか、何を言えばいいのか、どんな手順で‥と悩む人も多いようです。
しかし、証明のコツさえ掴めばそれほど難易度は高くありません。
今回は、そのコツを掴むために、証明の型を覚えて練習してみましょう。
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証明問題をカンタンに解くために
まずは、証明の型を覚えておきましょう。
①文字の定義。
②問題の条件に合わせて式を作り展開・因数分解する。
③結論を書く。
①文字の定義とは、『自分が証明で使う文字はこのように使います』と宣言することです。
例えば、「nを整数とする」とか「小さい方の整数をnとする」などです。
②問題の条件に合わせて式を作る・・①で定義した文字を使って文字式を作ります。
文字式を展開したり因数分解をすることによって結論が導かれるカタチに整えます。
証明の最後には③結論をしっかりと書きます。結論自体は「〇〇であることを証明しなさい」等のように問題文に書いてあることが殆どですので、問題文のどこが結論になるのかしっかりと確認しておきましょう!
①文字の定義 ②文字式を作る ③結論を書く ‥この手順は覚えておいてくださいね!
※2年生の時に文字式を使って説明しなさい‥という問題がありましたが、覚えていますか?証明の手順は、その時と小野路です。文章問題・証明問題が苦手だと感じている人は、併せてチェックしておきましょう。
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証明問題:例題と解説①
連続する3つの整数がある。真中の数の2乗から1を引いた数は、残りの2数の積に等しいことを証明しなさい。
この問題を ①文字の定義 ②文字式を作る ③結論を書く のパートに分けると、
①文字の定義:連続する3つの整数がある。
3つの整数を決めます。
②文字式を作る:真中の数の2乗から1を引いた数は、残りの2数の積に等しい
【真中の数の2乗から1を引いた数】=【残りの2数の積】という事を文字式で表せればOK
③結論を書く:真中の数の2乗から1を引いた数は、残りの2数の積に等しい
この文章は②の文字式のあとに、『したがって、真中の数の2乗から1を引いた数は、残りの2数の積に等しい』と書くだけです。
では実際に解いてみましょう。
①文字の定義
『連続する3つの整数の真中の整数をnとすると、3つの連続する整数は、n-1,n,n+1 と表すことができる。』
・・ココまでが文字の定義になります。私の証明では真中の整数を「n」とするから3つの連続する整数はこう表しますよ!という宣言ですね。
②文字式を作る※環境によって二乗の部分読めない場合があります。
真中の数の2乗から1を引いた数は、n²-1(n二乗マイナス1)
残りの2数の積は、(n-1)(n+1)=n²-1(n二乗マイナス1)
問題になっているくらいですから、問題が間違っていなければ同じ文字式になるハズです^^;
③結論を書く
したがって、真中の数の2乗から1を引いた数は、残りの2数の積に等しい。
続けて書くと、
というようになります。※左の①②③は実際には書きません。
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証明問題:例題と解説②
類似問題なども多いので、どのように証明していくか理解しちゃいましょう!
この問題の場合は、文字の定義は終わっていますので上で説明した①はやらなくてOK。
Sとalの文字式が同じになることを示し、結論を書けば終了です。
【解答と解説】
まず、道の面積Sの文字式を作ります。
道を含むいちばん外側の長方形の面積はヨコ(2a+2p)×タテ(2a+p)なので4a²+6ap+2p²
花壇の面積はヨコ2p×タテpで2p²
道の面積S=4a²+6ap+2p²-2p²=4a²+6ap
次にalの文字式を作ります。
lは道の真ん中を通る線の長さなので、l=2×(p+a+2p+a)=4a+6p
al=a(4a+6p)=4a²+6ap
これでS=al=4a²+6apと示されていますので結論を書きます。
よって S=al は成り立つ。
というような証明になります。
もし、文字式の作り方が不安だという人は、文字式の作り方を見直しておくことをおススメします。
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このページで理解が出来ていない場合の多くは、文字式の作り方が分からないという事が多いので、上のリンクの「文字式の作り方」や「文字式を使った説明」等で復習してみてくださいね!