【中3数学】因数分解の応用問題【質問の解説】

今回は塾生から質問があった問題の解説をまとめました。
同じような疑問を持っている人も多いと思うので参考にしてみてくださいね^^

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因数分解の応用問題

中学生の数学 イメージ

多項式・因数分解の応用問題は様々な問題が考えられます。しかし、単元テストや定期テストに出る応用問題は、ある程度傾向があります。今回解説する問題もテストに出やすい問題ですのでシッカリとチェックしておきましょう。

応用問題とはいえ、基本的な問題を理解できるのであれば、今回の解説も理解できると思います。考え方の幅を広げるためにもシッカリと考えながら進めていきましょう。

 

基本が出来ていないと感じる人は【↓】の記事から始めましょう。


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問題1:くふうして計算する問題

次の式をくふうして解きなさい‥という問題の中で、どうやって解こうか迷う時がありますよね。
今回質問があった問題も【 33²-27² 】という問題で、迷う人も多いかもしれないですね。

例えば【 33² 】をくふうして計算しなさいという問題なら(30+3)² にしようかと思うかもしれません。

今回の問題の考え方で迷うのは2パターン!

1つ目の考え方
(30+3)² -(30-3)²
これを展開すると、
(900+180+9)-(900-180+9)
=360

2つ目の考え方
(33+27)(33-27)
=60×6
=360

さて、あなたはどっちで計算しますか?という事なんですが、テスト中は迷っているくらいなら、どっちで計算してもOKです。ただし、2つ目の考え方の方がより簡単ですよね^^

POINT 【 33²-27² 】などの問題では、前の数(33)と後ろの数(27)を足したり引いたりすることによって、一の位の数が0になるなど、計算しやすい数になる場合は【a²-b²=(a+b)(a-b)】の乗法公式を使った方が簡単に計算できる‥くらいに覚えておきましょう。

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問題2:式の値を求める問題

式の値を求める問題も少しひねった問題になると考えにくいようですが、そのポイントをチェックしておきましょう。

x+y=-4, xy=3のとき,次の式の値を求めなさい。
(式1)2x²+4xy+2y²
(式2)2x²+2xy+2y² という感じの問題ですね。

式1は因数分解ができれば解ける問題。(式2)はさらに1歩進んだ問題になります。

x=3,y=-2などの場合は、代入すれば計算できますが今回の問題では難しいですよね。
では、(式1)を解いていってみましょう。

まずは因数分解をしてみます。

2x²+4xy-2y²
コレをこのまま共通因数2をくくり出すと
=2(x²+2xy+y² )

こうするとカッコの中は乗法公式の因数分解が使えますね
=2(x+y)²
x+y=-4ですのでこの式の(x+y)に-4を代入します。

2×(-4)²=32 という事になります。

(式2)の方はもうひと手間必要です。
考え方的にはx+yとxyの式に変形させる‥という事です。

(式1)2x²+4xy-2y²=2(x+y)² となりますので、
(式2)は次のように考えます
2x²+2xy+2y²
=2x²+4xy-2y²-2xy
=2(x+y)² -2xy
ココに問題で指定されている数を代入
=2×(-4)²-2×3

=26

POINT (式1)と(式2)の違いは『2xy』なのか『4xy』なのか‥という事です。
そして、(式1)を解いた時点で『4xy』なら乗法公式で因数分解できるということが分かっています。ですので、「2xy」を「4xy」に合わせてあげればいいんです。
2xyを『4xy-2xy』と表記するだけなんです。コレだけで解けるようになります。

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問題3:証明問題

下の図のように、おうぎ形OAC と おうぎ形OBD があります。弧ACと弧BDに挟まれた部分の面積をS,二つの弧に挟まれた部分の真中を通る弧の長さをLとするとき、S=L(a-b) となることを証明しなさい。

Sの文字式とL(a-b)の文字式が同じになることを文字式を使って表していきます。

Sはおうぎ形OACの面積からおうぎ形OBDの面積を引いた残りですから、
S=(πa²-πb²)÷4
 = π(a+b)(a-b)÷4

POINT Lの長さの考え方
弧Lを含む円の半径はaとbのまん中ですので、(a+b)÷2で直径は(a+b)という事になります。
そうすると弧Lを含む円の円周は直径×πなので、π(a+b) 。
Lは円周の4分の1なので、Lの長さは π(a+b)÷4 となります。
L=π(a+b)÷4

そうすると、
L(a-b) =π(a+b)÷4×(a-b) 
ですので、
L(a-b) =π(a+b)(a-b)÷4
となり、Sの文字式と同じになりましたので、S=L(a-b) は成り立つことが証明できます。

※ホームページの表記上、π(a+b)(a-b)÷4としていますが、分数で表すようにしてください^^;

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今回の問題は、基本問題より少し考えにくかったかもしれませんね。
中学生の数学は、解けることも大切なのですが考えている時間も大切です。ただ、時間は有限ですので、時間を上手に使ってくださいねっ!
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