式の計算~4~ 文字式の利用2【中2数学】

今回は文字式を使った説明のところを解説していきます。
どんな順序で説明していくのか、その流れと注意点を意識してやってみてね!
数を表す文字式が作れない、もしくは作りにくいなと思う人は、前記事(文字式の利用1)をご覧ください。

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文字式の利用

女子 中学生 イメージ:中学生の数学中学2年生の文字式では「~なわけを説明しなさい」というような、与えられた条件での説明(証明)を覚えていきます。これは数学だからというような問題ではなく、どんなことにでもあてはまる『説明のしかた』を学ぶところだ‥と思って取り組んで欲しい部分です。
普段、話をしていて「説明が上手だな」と思う人もいれば、「何を言っているのか分からない」もしくは「何が言いたかったのか分からない」という人がいると思います。数学の問題だから『説明のしかた』を学ぶというわけではなく、「普段の会話の中でも使える説明のしかた」もしくは「普段の会話の中でも使っている説明のしかた」だと考えて学んでいきましょう。と、言ってもなかなか分かりにくいと思うので、問題の解説の中で理解してくださいね。

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文字式を使った説明

今回は整数の問題を2問解説していきます。もう少し載せようかと思ったのですが、文字数が多くなりすぎるので2問にしました^^;

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式による説明 整数の問題1

【問題】各位の数の和が3の倍数である2けたの正の整数がある。この数が3の倍数であるわけを説明しなさい。

こういう問題のとき、一番最初に何を考えるかというと元の数の表し方です。
十の位の数と一の位の数の和が3の倍数になるということを利用します。その和を3nとし、一の位の数をmとします。(違う文字を使ってもOKだし、和を3mとし、一の位をnとしてもOK)そうすると、十の位の数は3n-mとなります。

※なぜ 3n-m ?※ この文字式の意味がわからない人は読んでね!
元の数が84の場合、十の位の数と一の位の数の和は8+4=12となりますよね。和が12で一の位の数が4なら、十の位の数は12-4=8と、数字だと考えやすいのではないでしょうか。
それを今回は数字が分からないので、【3n】は十の位と一の位の数の和(たし算の答え)、【m】は一の位の数を表す‥と自分で決めます※問題で決められている場合もあります。
なぜ十の位の数をn、一の位の数をmとしないで、各位の和を3nとし、一の位の数をmとするのかというと、問題文にある『各位の和が3の倍数』ということを表すためです。

【解答例】

m,nを整数とし、一の位の数をm、各位の和を3nとする。
元の数は 10(3n-m)+m
=30n-10m+m
=30n-9m
=3(10n-3) となる。
10n-3は整数だから
3(10n-3) は3の倍数である。
したがって各位の数の和が3の倍数である2けたの正の整数は3の倍数である。

①の部分
m,nを整数とし、一の位の数をm、各位の和を3nとする。というのは、説明で使う文字の定義。私の説明ではmとnはこういう意味で使いますよ!ということを最初に宣言します。

②の部分
元の数は 10(3n-m)+m
=30n-10m+m
=30n-9m
=3(10n-3) となる。
ここでは、問題文の条件‥今回は「各位の数の和が3の倍数である2けたの正の整数」をつくり、式を展開していきます。最終的に、3の倍数ということが言いたいので【3×整数】の形を作ります。2の倍数なら【2×整数】、5の倍数なら【5×整数】とすればOK!

③の部分
10n-3は整数だから3(10n-3) は3の倍数である。
したがって各位の数の和が3の倍数である2けたの正の整数3の倍数である
この部分は結論で、緑色の部分は問題文からそのまま書き写した部分になります。

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式による説明 整数の問題2

【問題】連続する3つの偶数の和は6の倍数になるわけを説明しなさい。

こんな感じの問題もよく出題されます。こういう問題も最初に考えるのは数の表し方です。
連続する3つの偶数をどう表すのか考えてみましょう。
また、整数の問題1の説明の手順を思い出してみましょう。

説明の手順は
①文字の定義をする。

②問題の条件に合わせて式を作り展開する。
③結論を書く。・・・ですね。

連続する3つの偶数の表し方
偶数の表し方は【2×整数】(整数部分を文字にする)ということは文字式の利用1で説明しましたね。
今回は【連続した偶数】なので、作った偶数の文字式に数字をたせばOK!
nを整数とすると、2nは偶数になります。2n+1だと奇数になってしまいますので、2n+2と、2をたすと、【2n→2n+2】というような連続する偶数になります。
3つの連続する偶数は、一番小さい数を2nとすると【2n→2n+2→2n+4】となりますし、真中の数を2nとすると【2n-2→2n→2n+2】となります。

解答例は、①文字の定義をする。②問題の条件に合わせて式を作り展開する。③結論を書く。この手順がどこに当たるのか、考えながら理解していきましょう。

【解答例①】真中の数を基準とした場合
mを整数とすると、連続する3つの偶数は
2m-2,2m,2m+2 と表すことができる。
この3数の和は
(2m-2)+2m+(2m+2)=6m
6mは整数だから6mは6の倍数である。
したがって連続する3つの偶数の和は6の倍数になる。

【解答例②】一番小さい数を基準とした場合
mを整数とすると、連続する3つの偶数は
2m,2m+2,2m+4 と表すことができる。
この3数の和は
(2m-2)+2m+(2m+2)=6m+6
=6(m+1)

(m+1)は整数だから 6(m+1)は6の倍数である。
したがって連続する3つの偶数の和は6の倍数になる。

解答例①、解答例②と挙げましたが、問題文に指定がなければどちらでもOKです。

説明の流れは理解できましたか?
説明の流れをもう少し詳しく書くと、

①文字の定義をする(自分で決めるor問題で指定されている)
②問題の条件に合わせて式を作り展開する。
展開した式は、結論で言いたい形にする。(3の倍数ということが言いたいのであれば【3×整数】の形、2の倍数なら【2×整数】、5の倍数なら【5×整数】とすればOK!)

③結論を書く。
上の例題を見れば分かると思いますが、結論は問題文そのものである場合が多いので、あまり難しく考えずに、『迷ったら問題文を読む』といいですよ。

中学生 数学2:文字式での説明手順

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