方程式の応用問題【中学1年生 数学】問題と解説1

方程式の応用問題、方程式の利用と言われる方程式の文章問題の問題プリントとその解説をしていきます。
方程式の応用問題文字式が苦手な中学生向けの内容になっています。

基本的には中学1年生向けですが、文字式を作るのが苦手という2年生、3年生にとって良い復習になる問題です。

方程式の応用問題

問題に取り組むときの流れは・・・

1.問題を解く=自分で考える

2.丸つけをする
  ※間違えた問題はハッキリと×をつける。×印は後で見直す目印です!

3.間違えた問題、できなかった問題、あやふやだった問題の解説を読んで理解する。
※文章問題の文字式には意味があります。式の意味を考えましょう。

4.解説を見ずにやり直す。

※注意※ 解説を見ながら問題を解くと自分の力になりません。解説を見ないで解くようにしましょう!同じように勉強をしていても、少しの違いが大きな差になります。せっかく勉強するのですから、シッカリと自分の力になるような勉強をしていきましょう!

問題:方程式の応用問題(方程式の利用1)PDF
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【1】鉛筆を10本と色鉛筆を5本買ったときの代金の合計は1050円だった。1本の値段は,色鉛筆の方が鉛筆より30円高い。鉛筆1本の値段と色鉛筆1本の値段をそれぞれ求めなさい。
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【2】あるイベントの大人1人の入場料は,子供1人の入場料よりも600円高く,大人2人と子供 4 人で 6000 円である。大人と子供の入場料をそれぞれ求めなさい。
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【3】生徒を全員すわらせるのに,長いす1脚に4人ずつすわると,20人がすわれなかった。また,1脚に5人ずつすわると,長いすがちょうど3脚余った。このとき,長いすの数と生徒の数をそれぞれ求めなさい。
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【4】A地とB地の間を,自転車で往復した。行きは毎時10km,帰りは毎時15kmの速さで走ったら,往復で3時間かかった。A B 間の道のりを求めなさい。
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【5】A君とB君の家は2.8 km離れている。A君とB君はそれぞれの家を出発して,途中で会うことにしました。A君は毎分80mの速さでB君の家に向かい,B君は,A君が出発した10分後に,毎分120mの速さでA君の家に向かいました。 B君が出発してからA君に出会うまでの時間を求めなさい。また、その地点はAくんの家から何mになるか求めなさい。
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【6】ある学年で数学のテストを行ったところ,得点が80点以上の生徒が全体の30%だった。また,60点以下の生徒は全体の50%で80点以上の生徒より24人多かった。この学年の生徒は何人か求めなさい 。
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【7】7%の食塩水と12%の食塩水を混ぜて,9%の食塩水を1000g作る。7%の食塩水と12%の食塩水をそれぞれ何g混ぜればよいか求めなさい。

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方程式の応用問題 解説と解答

今回の問題は、何を $ x $ とするか、あえて指定していません。
このような問題のときは、必ず「〇〇を $ x $ とする」ということを一番最初に書くようにしましょう!
※1問も解けなかった!という人は、一次方程式のカンタンな解き方で式の作り方を覚えると解きやすくなります。

問題【1】の解説と解答

この問題は、【鉛筆の代金】+【色鉛筆の代金】=【合計金額】というシンプルで解りやすい式ですね。

鉛筆1本の値段を $ x $ 円とすると、色鉛筆1本の値段は $ x+30 $ 円となります。

鉛筆の代金= $ 10x $
色鉛筆の代金= $ 5(x+30) $

ですので、方程式は下の式のようになります。
$ 10x+5(x+30)=1050 $
【鉛筆の代金】+【色鉛筆の代金】=【合計金額】という方程式です。

この方程式を解くと $ x=60 $ となります。
$ x $ は鉛筆1本の値段なので、色鉛筆は(60+30)円

答え:鉛筆1本 60円、色鉛筆1本 90円

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問題【2】の解説と解答

問題【1】とほぼ同じ考え方でできる問題です。
【大人の代金】+【子供の代金】=【合計金額】という方程式がなりたちます。

大人1人の入場料を $ x $ 円とすると、子供1人の入場料は $ x-600 $ 円。
子供1人の入場料を $ x $ 円とすると、大人1人の入場料は $ x+600 $ 円。
・・・コレは自分の基準をどちらに置くかという考え方の問題なので、どちらでもOKです。

ここでは、【子供1人の入場料を $ x $ 円、大人1人の入場料を $ x+600 $ 円】として式を作っていきます。

子供4人の代金=$ 4x $
大人2人の代金=$ 2(x+600) $

【大人の代金】+【子供の代金】=【合計金額】という式は、
$ 2(x+600)+4x=6000 $ となります。

この方程式を解くと、$ x=800 $ となります。
子供1人の入場料が800円なので、大人1人の入場料は子どもの入場料より600円高いので、1400円ということになります。

答え:大人1人の入場料 1400円、子供1人の入場料 800円

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問題【3】の解説と解答

この問題の場合、何を $ x $ として式を作るかで問題の難易度が変わると思うのですが、一般的には、長いすの数を $ x $ として、【生徒数】=【生徒数】の式を作ります。
※生徒数を $ x $ とした場合の式も下に掲載しておきます。

長椅子の数を $ x $ として生徒数を表します。

4人ずつ座った場合は、
長いすに座れた人数‥$ 4x $ 人、長いすに座れなかった人数‥20人ですので、
生徒数=$ 4x+20 $ 人

5人ずつ座った場合は、長いすが3脚余るので、
生徒数=$ 5(x-3) $ 人

4人ずつ座った場合も5人ずつ座った場合も生徒数は変わりませんので
$ 4x+20=5(x-3) $ という方程式が成り立ちます。

この方程式を解くと、$ x=35 $ となります。
この「35」を $ 4x+20 $ か $ 5(x-3) $ に代入し、生徒の数を求めます。
※両方に代入し確認するのもおススメです。

答え:長いすの数 35脚、生徒の数 160人

生徒数を $ x $ 人として【長椅子の数】=【長椅子の数】という方程式も作れます。
4人ずつ座った場合‥$ (x-20)÷4 $、5人ずつ座った場合‥$ (x÷5)+3 $ となり、方程式は【$ (x-20)÷4 $=$ (x÷5)+3 $】‥もちろん、これでも解けるのですが、ちょっと解きにくそうじゃないですか?

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問題【4】の解説と解答

このような問題のとき、自分で図を書いて、そこに情報をまとめることをおススメしています。
問題を読んだだけの状態だと、下のようにまとめられます。
方程式の応用問題 解説図5

AB間の道のり(距離)を求める問題ですので、AB間の道のり(距離)を $ x $ とします。
そうすると、上の図は、下のように変わります。

方程式の応用問題 解説図6

【この考え方は重要です】⇒「みはじ」の関係ですので、道のりを $ x $ とすれば、時間も $ x $ の文字式で表すことができます。

この問題では往復の時間が分かっていますので、【行きの時間】+【帰りの時間】=【往復の時間】という式が成立します。

$ \frac{x}{10}+\frac{x}{15}=3 $
この式を解くと $ x=18 $

答え:A-B間の道のり 18km

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問題【5】の解説と解答

この問題を図にまとめてみましょう。
方程式の応用問題 解説7

B君が移動した時間とA君の家までの距離を求める問題ですが、B君が移動した時間を $ x $ 分として方程式を作っていきましょう。
B君が移動した時間を $ x $ 分とすると下の図のようにまとめられます。
※2.8kmは分速(メートル)に単位を合わせておきます。

方程式の応用問題 解説8

二人が出会うまでの道のりは2800mですので、【A君の道のり】+【B君の道のり】=【合計の道のり2800m】という式が成り立ちます。

$ 80(x+10)+120x=2800 $
これを解くと
$ x=10 $

A君が移動した距離(道のり)は、$ 80(x+10) $m なので、これに代入してA君の家までの距離を求めます。

答え:B君が移動した時間 10分、A君の家までの距離 1600m

POINT なぜB君が移動した時間を $ x $ 分とするのか・・・
※もちろん、正しい式を作ればどちらも正しい答えにたどり着けます。
A君の家までの距離を $ x $ mとすると、出会うまでのA君の時間は $ \frac{x}{80} $ 、出会うまでのB君が移動した
A君:(み) $ x $ m,(は)分速80m,(じ) $ \frac{x}{80} $ 分
B君:(み) $ 2800-x $ m,(は)分速120m,(じ) $ \frac{x}{120} $ 分
B君が移動した時間を $ x $ 分とすると、
A君:(み)$ 80(x+10) $ m,(は)分速80m,(じ) $ x+10 $ 分
B君:(み)$ 120x $ m,(は)分速120m,(じ) $ x $ 分
分数を使わないB君が移動した時間を $ x $ 分とした方が、計算がラクですし、間違えにくいからなんです。
基本的に「みはじ」の問題では、「道のり」=「道のり」という式の方がラクです。

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問題【6】の解説と解答

全体の生徒数を $ x $ 人とすると、全体の30%の人数は $ 0.3x $ 人、全体の50%の人数は $ 0.5x $ 人であらわすことができる。その差が24人ということなので、

$ 0.5x-0.3x=24 $
この方程式を解くと $ x=120 $
そのまま答えになります。

答え:生徒数 120人

※この問題は割合の表し方ができるかどうかがポイントの問題です。割合が少しでも苦手だと思っている中学生は、今の機会に復習しておきましょう!⇒ 割合の基礎・基本

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問題【7】の解説と解答

食塩水の問題を苦手だと感じる中学生は多いのですが、実はそれほど難しくはありません。
理科のパーセント濃度とかも同じような考え方でできるのでチャレンジしてみましょう!

※連立方程式で考えると非常にラクなので、2年生・3年生は連立方程式で考えた方がいいですよ^^

7%の食塩水と12%の食塩水、それぞれ何g混ぜればよいか‥という事なのですが、このような場合は、どちらを $ x $ にしても大丈夫です。この解説では7%の食塩水を $ x $ gとして解説します。

こういう食塩水の問題は、食塩の重さで考えましょう!
はい。今、すごく重要なことを言いました。「食塩の重さ」で考えましょう!‥です。大事なので2回言いました。。。

9%の食塩水1000g作るのですが、その中の食塩は、1000×0.09=90ℊです。

7%の食塩水 $ x $ gの中には、$ x×0.07=0.07x $gの食塩が入っています。
全部で1000ℊ、7%の食塩水は $ x $ gなので、12%の食塩水は $ 1000-x $gになります。
12%の食塩水 $ 1000-x $gの中には、$ (1000-x)×0.12=120-0.12x $gの食塩が入っています。

作る式は【7%の食塩水の中の食塩の量】+【12%の食塩水の中の食塩の量】=【9%の食塩水の中の食塩の量(90g)】となります。

$ 0.07x+120-0.12x=90 $
※上で作った式のパーツを並べただけです。

これを解くと、$ x=600 $ となります。

答え:7%の食塩水 600g、12%の食塩水 400g

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