因数分解 ~中学3年生の数学~

2020年5月28日

今回は因数分解について説明をしていきます。
因数分解は、多項式のかけ算をした答えを、元のかけ算のかたちに戻すこと‥と覚えておきましょう。なんでせっかく計算してあるものをかけ算のかたちに戻してしまうんでしょうか‥

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因数分解

因数分解の因数とは【ひとつの式が積の形で表すことができるとき、かけ合わされている一つひとつの数や式を因数といいます】‥ちょっとわかりにくいので例を見てみましょう。

例)3a+6b=3(a+2b)
・・・3a+6bの因数は「3」と「a+2b」

なんとなく理解できたでしょうか。かけ算で表すときの元になる数や式だと覚えておけばOKです。
では、なぜ因数分解をする必要があるのか、どんなやり方で因数分解をするのかをみていきましょう。

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展開と因数分解

因数分解と展開、そして、なぜ因数分解を学ぶのかについて、まずは(↓)を見てみてください。
因数分解・因数分解を何故学ぶかについて

今までやってきた計算は【展開】です。これから学ぶのは、その展開されているものを、かけ算のかたちに直す【因数分解】です。場合によっては、展開によって式をカンタンにしてから更に因数分解をする‥なんていう場合もあります。

『なぜ因数分解を学ぶのか』というと、一番わかりやすいのが↑にも書いてある通り『方程式を解くため』です。
他にも色々とありますが、まず、次に数学で出てくる方程式で使うから‥くらいに考えておきましょう!というか、方程式で使いますので、因数分解が分からないまま進んでしまうと、方程式も分からない・解けないという事になってしまいます。シッカリとマスターしておきましょう!

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共通因数をくくり出す因数分解のやり方

まずは因数分解の基本、共通因数をくくり出す因数分解です。
【↓】を確認しましょう。
因数分解・共通因数をくくり出す因数分解

まずは数字の共通因数があるか確認します。今回は「8」と「4」ですので、共通因数は「4」という事になります。
※8=8×2,4=4×1※
このとき、間違いやすいパターンとしては『偶数だから2だ!』と思い込んでしまう事です。「2」をくくり出しても、更に共通因数の「2」が残ってしまいます。

共通因数の「2」が残るというのがどういうことかというと、2をくくり出すと【8=2×4】,【4=2×2】となり、2をくくり出しても「4」と「2」がそれぞれの項に残ってしまいます。「4」と「2」ですので、更に「2」が共通因数として残っている状態です。

数字の共通因数を確認したら、次に文字の共通因数を確認します。
上の例で言うと「a」ですね。

共通因数を全てくくり出して4a(2a+b)のかたちになったらOKです。
上でも説明しましたが、4a(2a+b)ではなく、2a(4a+2b)では因数分解が終わっていない状態になってしまいますので気をつけましょう。

もう少し例をあげておきます。
因数分解・共通因数をくくり出す因数分解の例

POINT 共通因数は残さず全てくくり出しましょう!最初のうちは答えが出た後、もう一度共通因数がないか確認するといいですね!

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乗法公式を使った因数分解のやり方

乗法公式を使った因数分解。まずは乗法公式を確認しておきましょう。
多項式の乗法(乗法公式パターン)

乗法公式を使った因数分解の基本的な考え方【↓】
因数分解・乗法公式を使った因数分解
今回の例では和が『-12』で積が『35』になる2つの数字を探すのですが、和が『-12』を探すと、
【1+(-13)】【-1+(-11)】【2+(-14)】【-2+(-10)】【3+(-15)】・・・というように迷い込んでしまいますので、【積が35】になる数を優先して探して、あとから正負の符号を考えるようにしましょう!

基本的には【↑】のやり方でほぼ解けるのですが、最後の数が整数の2乗の数だと解る場合は【↓】の公式が使える!と早く分かるのでおススメします。
因数分解・乗法公式を使った因数分解2
ちなみに『平方根』という単元でも必要になりますので、1から13くらいまでの数の2乗の数は覚えておいた方が便利です。

パターン3に関しては、特徴的なパターンですので、塾の中でも教えることはほぼありません。
すぐに気づけますよね?

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因数分解の応用

因数分解の応用問題は『共通因数をくくり出す因数分解』と『乗法公式を使った因数分解』の2段階で因数分解をする問題や置き換えて因数分解をする問題、一度展開して同類項をまとめてから因数分解をする問題など、色々なパターンが考えられます。

例えば【↓】は、共通因数「2」をくくり出してから乗法公式を使って因数分解をします。
因数分解問題の例1

もう一つだけ【↓】は共通因数がありませんが、9は3の2乗、4は2の2乗になっています‥解けるでしょうか。
因数分解の例2
こういう場合は(3a+?)(3a+?)まずはこの形を考えてみるといいですね。

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◆因数分解のトレーニング問題を準備しました。同じ問題でも2~3度繰り返しトレーニングすることをおススメします。
中3【因数分解トレーニング】問題と解答

多項式や因数分解を利用して解く問題は後日掲載する予定です。

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因数分解の問題を考えるとき、最初に考えるのは『共通因数』があるかどうか‥です。慣れというのももちろんありますが、『共通因数』はあるか⇒『乗法公式』は使えるか‥という流れで基本問題をやっているうちに考えるパターンを作っておくとラクかもしれませんね^^

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