【中学生の数学】連立方程式[難しい問題]生徒からの質問
この記事は中学2年生の連立方程式の少し難しい問題を解説しています。定期テストの対策や受験対策で連立方程式を勉強する中学生向けの内容です。
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連立方程式[難しい問題]生徒からの質問
今回解説する問題は2問あります。どちらも連立方程式の中でも、やや難しい問題になります。基本問題がシッカリ解けるようになったステップアップにチャレンジしてみることをおススメします。
基本的な問題が解けない人は、まず、基本問題からチャレンジしましょう!
基本問題は⇒
連立方程式の応用問題(割合の問題) 連立方程式「応用問題の解き方」
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問題1 :複合問題
制限時間8分
通常,A駅からC駅までの運賃は1人片道420円,B駅からC駅までの運賃は1人片道310円である。全員がA駅から乗車すると団体割引になり,運賃は20%引きになる予定であったが,何人かがB駅から乗車したため,団体割引にならず,C駅までの片道運賃の総額は予定より1750円高くなった。
また,B駅から乗車した人数は,グループ全体の人数の20%より1人多かった。A駅,B駅から乗車した人数をそれぞれ求めなさい。
問題2 :複合問題
制限時間10分
ある中学校の生徒が,校外学習で博物館と美術館に分かれて見学に行きました。この校外学習の費用を[1]~[4]にまとめました。博物館に行った生徒数をa人,美術館に行った生徒数をb人とします。
あとの(1),(2)の問いに答えなさい。
・博物館について
[1]入館料 1人500円
[2]移動のため 貸切バスを10000円で1台使用
・美術館について
[3]入館料 1~20人目は1人800円,21人目から1人あたり5割引き
[4]徒歩での移動のため,交通費は0円
(1)博物館に行った生徒全員分の入館料と貸し切りバスの料金の合計金額を,aを使った式で表しなさい。
(2)美術館に行った生徒の人数は21人以上でした。また,博物館に行った生徒の人数は18人以下で,博物館の入館料と貸し切りバスの料金の合計金額は,美術館に行った生徒全員分の入館料の合計金額と等しくなりました。
博物館に行った生徒の人数と,美術館に行った生徒の人数をそれぞれ求めなさい。
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連立方程式 難しい問題のヒント
問題への取り組みは、
1.自力でチャレンジ
2.ヒントを見てチャレンジ
3.解説を読んで、理解してからチャレンジ
と、自分で解いてみる‥ということを意識して問題に取り組んでいきましょう!
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問題1のヒント
問題は『A駅,B駅から乗車した人数をそれぞれ求めなさい』なので、A駅から乗車した人数を $ x $ 人、B駅から乗車した人数を $ y $ 人とします。
問題の文章を読むと、『~予定より1750円高くなった』という金額の部分と、『~グループ全体の人数の20%より1人多かった』という人数に関する部分に分かれています。
ということで、作る式は、『金額の式』と『人数の式』の2つという事になりますね!
次にイコールの関係になる2つの式を考えます。その時、上のヒントのように、問題文から何の式を作ればいいのか‥という事を考えます。更に、『金額=金額』というような考え方ではなく、『運賃の合計金額=運賃の合計金額』と、より具体的に考えられるようになるといいですね!
問題2のヒント
(1)の問題は基本的な問題ですので、ノーヒントで‥この問題が解けない場合、文字式の基本的な考え方ができていませんので、「文字式の作り方」で復習しておきましょう!
(2)の問題は、博物館と美術館に行った人数を求めなさい‥ということです。問題の中で「博物館に行った生徒数をa人,美術館に行った生徒数をb人」としていますので、そのまま a,bで連立方程式を作っていきましょう。‥と言いたいところなのですが、この問題で連立方程式は作れません。
bをaの式で表して考えてみましょう!
しかし、連立方程式を作るためには条件が足りないので、式を2つ作ることが出来ない‥という問題は、数の性質や条件等に当てはめて考えていきましょう!
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連立方程式 難しい問題の解説
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問題1の解説
ひとつめの式は『~予定より1750円高くなった』という部分を使った「金額の式」です。
元々かかる予定だった運賃=実際にかかった運賃+1750円 ‥という感じですね。
それを式にすると、
元の運賃⇒ 420×0.8×( $ x+y $ )
実際の運賃⇒ 420 $ x $ + 310 $ y $
となりますので、
420×0.8×( $ x+y $ )= 420 $ x $ + 310 $ y $ +1750
この式を整理して
42 $ x $ - 13 $ y $ = 875
ふたつ目の式は『~グループ全体の人数の20%より1人多かった』という部分を使った「人数の式」です。
$ y $ はグループ全体の人数の20%より1人多いので、
「グループ全体の人数の20%」=「グループ全体の人数の20%」という式にします。
グループ全体の20% = 0.2 ×( $ x+y $ )
$ y $ はグループ全体の人数の20%より1人多いので、
グループ全体の20% = $ y $ -1
「グループ全体の人数の20%」=「グループ全体の人数の20%」という式は
0.2 ( $ x+y $ ) = $ y $ -1
これを整理して
-$ x $ + 4 $ y $ =5
この2つの式を連立方程式として解きます。
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問題2の解説.
(1)は入館料+バス代ですので、$ 500a+10000 $ というシンプルな文字式になります。
(2)の問題になると、博物館にかかった金額と美術館でかかった金額が等しいという事なので、(1)の式と美術館の方の式をイコールで結べばOK!
美術館にかかった金額は、
800円×20人分+400円×21人目~ になります。
800×20+400×( b-20 )でもいいですし、
全員にかかる金額400円を基準に、
400b + 400×20 という式でもOK!
博物館の金額=美術館の金額
$ 500a+10000 $ = $ 400b + 400×20 $
これを整理すると、
$ b= $ $ \frac{5}{4} $$ a+5 $ となります。
bは人数なので、整数になる‥ということは、aの値は4の倍数になる‥という事が分かります。
しかも、博物館に行った生徒の人数は18人以下で、美術館に行った生徒の人数は21人以上ですので、aの値は「4」「8」「12」「16」に絞られます。
この数をaに代入して、bの値が21以上になるのは「16」だけ‥という事になります。
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連立方程式 難しい問題の解答
■ 問題1の解答
A駅から乗車した人数 23人
B駅から乗車した人数 7人
■問題2の解答
(1)$ 500a+10000 $
(2)博物館に行った生徒の人数 16人
美術館に行った生徒の人数 25人
しかし、答えを求めるにはどうしたらいいのか‥という事を考えるには良い問題だと感じましたので紹介させていただきました^^
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