中学生の受験対策【数学の難問について】

今日は保護者から質問があった数学の受験対策の話をしていきます。
いわゆる難問と言われているような問題への取り組み方の話です。

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中学生の受験対策【数学の難問について】

※この記事は公立高校の受験を考えている中学生と保護者を対象としています。
※受験の満点を50点として記述しています。

私の考え方は、受験対策においても基本重視!となっているのですが、なぜか保護者の中には「難問」と言われるような問題をやらせたがるんですよね。ちなみに私のところはほとんどの生徒が公立高校を目指す地域ですので、ハッキリ言って「難問」は必要ありません。それは県内トップの高校を目指す中学生も同じです。

点数を上げようと思って、難問に取り組むのかもしれませんが、そのような勉強をやると点数が下がるようになってしまいます!今日はその辺りの話をしていきます。

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受験の内容について

色々な都道府県の公立高校の入試問題を見てきましたが、問題の分け方と点数配分はおおよそ下記の通りです。

・超基本問題 → 5点
・基本問題 → 25点
・応用問題 → 15点
・難問 → 5点

・超基本問題
絶対に正解しないといけない問題。ほとんどの場合、受験問題の最初の方にある問題。

正負の数の計算問題や文字式の計算問題など‥

・基本問題
文字式の表し方や連立方程式、2次方程式の問題。体積や表面積、長さなどを求める問題。

・応用問題(基本的な問題の複合)
一次関数や確率、規則性などの複合問題。方程式や図形の証明などの問題。

・難問
関数の複合問題や空間図形の複合問題。

もちろん、各都道府県によってバラツキはありますし、何を応用問題・難問とするかによって見方も変わってきますが、私の基準では上記の通りです。

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受験対策の順序

当たり前の話かもしれませんが、超基本問題の対策をして、基本問題の対策をする‥という事になります。
超基本問題の計算問題はできて当たり前で、とにかく早く正確に!という意識でやっていきます。点数的には大きくはないのですが、基礎点として取れないと点数が安定しません。

次に基本問題ですが、多くの人がここで時間を使うことになります。過去問や類似問題などで対策をしていきましょう。
基本問題の対策をして30点前後で安定するようにします。6~7割の公立高校はココまでの対策でほとんど充分だったりもします。

基本問題が安定したら応用問題ですが、ココは地域によって問題の質にバラつきがあるように思います。
基本的には方程式の文章問題や関数の文章or図形問題や証明の問題になりますので時間がかかる場合が多いですね。
都道府県によって傾向が違いますが、過去問などを見て、自分が取り組みやすい応用問題から取り組むことをおススメします。どのくらいの点数を取りたいかにもよりますが、ほとんどの高校は35~40点取れれば問題はないはず。

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受験対策の考え方

1.基本問題までは全員が対象となります。
この部分の点数が取れないまま応用問題に進んでも点数は伸びませんし、安定しませんので、まずは基本問題を9割以上取れるようにしてから次に進みましょう。(多くの都道府県で大問1、2に当たる部分と考えてもOKです)

2.応用問題は30点以上取りたい人が対象になります。
おススメは『方程式の文章問題』⇒『関数の文章問題』⇒『証明問題』ですが、得意なところから始めてOK!不得意なところに時間を使うよりも簡単な問題や得意分野で点数を伸ばした方が気持ち的にも楽です。

3.時間が余っているなら難問
極端な言い方かもしれませんが、少なくとも私の県はそういう位置づけです。
受験問題に入っている難問は2問程度で、点数にして4~5点。その点数を取るために、勉強時間も結構かかりますし、受験中の時間もかなり掛かります。そのような時間の使い方をするなら、受験中なら簡単な問題の見直し、解き直しをした方が点数は上がります。受験勉強中なら、歴史や理科の勉強をした方が点数が上がるのではないでしょうか?

POINT 自分が合格するために、数学で何点取りたいのかを考えましょう!
絶対に45点以上取らないと不合格になる‥という場合には、難問に取り組む必要がありますが、そうでないのなら他のところに時間を使うべきです。
難問を解けるようにするには、それなりの勉強時間と努力をしなければいけないのですが、得られるリターンが少なすぎるんです。点数を上げたいですか?難問を解けるようにしたいですか?どちらかを選ぶなら、あなたはどっち?
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中学生の受験対策【数学の難問について】まとめ

かなり極端な話に感じられたかもしれませんが、受験対策をしていて、点数が上がらない要因となるのは『点数が上がらない勉強』です。
もちろん、難問に取り組めば、実力・能力は上がりますので無駄とは言いません。これが、受験勉強やテスト対策じゃなければ‥時間に余裕がある時なら、どんどんチャレンジしましょう!という事も言えます。
しかし、勉強中もそうですし、テスト中もですが、点数を取るためにはどうすればいいのか‥という事を考えるようにしましょう。ということなんです。
『受験対策で点数を上げたい』という時には、数学の難問にチャレンジすることはおススメしない‥ということです。

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今回は受験勉強における数学の難問についての話をしました。
私立の受験問題は確認しきれていないので対象外とさせていただきますが、難問が解けなければ不合格になるような高校はごく少数です。
もちろん、難問の勉強をするなとは言いません。受験対策で点数を上げたいなら‥という話です。
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