【質問の解説】方程式の応用問題:過不足の問題

質問があった問題への回答シリーズです。
今回は方程式応用問題の中でも「過不足の問題」です。

.

方程式の応用問題:過不足の問題

過不足の問題も色々なパターンがありますが、落ち着いて一つ一つ考えていくようにしましょう!

今回はよく出題される『長いす』の問題です。『長いす』や『ボート』は問題にしやすいということもあってよく出題されますので、しっかりと対策をしておきましょう^^

求める過程が書ける‥というのもポイントになります。

.

質問があった問題(改)

質問があった問題を少し変更して掲載しています。

◆方程式の応用問題~過不足の問題~
長いすがあります。1脚に4人ずつ座ると,24人の生徒が座れませんでした。そこで5人ずつ座ったら,最後の1脚には1人だけ座り,8脚が余りました。生徒の人数と長いすの数を求めなさい。また、求めた過程も書きなさい。
※求めた過程を書くポイントは最後に‥

問題の考え方と解説

まず最初に数字の要素を考えて情報を整理してみましょう。
そのような数字が問題文で解るでしょうか。

この問題の数字的な要素は『生徒の人数』『長椅子の数』それと『1脚に何人座るか』ということです。
その中で『生徒の人数』と『長椅子の数』を答える問題になっています。

分かっている数は『1脚に何人座るか』です。

生徒の人数 長椅子の数 1脚に何人座るか
4 or 5

ここで、もう一度問題を読み直してみましょう。2つの要素‥『1脚に4人ずつ座ると,24人の生徒が座れませんでした』と『5人ずつ座ったら,最後の1脚には1人だけ座り,8脚が余りました』ということになっています。

この場合、『1脚に4人ずつ座ると,24人の生徒が座れませんでした』=『5人ずつ座ったら,最後の1脚には1人だけ座り,8脚が余りました』という方程式になる‥ということを覚えておくとラクですね^^
そして【左辺】=【右辺】を日本語的に考えてみるのもポイントです。

方程式を作るときに、生徒数と長椅子の数は変わりませんので、『生徒の人数』=『生徒の人数』という方程式を作るか『長椅子の数』=『長椅子の数』という方程式を作ることになりますが、どちらの方がラクだと思いますか?

両方見て行ってみましょう。

.

『生徒の人数』=『生徒の人数』という方程式の場合

『1脚に4人ずつ座ると,24人の生徒が座れませんでした』この時、生徒数を表すために、長いすの数をxとして文字式を作っていきます。長いすに座っているのは、4x人、座れていないのが24人ですので、【生徒の人数】=4x+24 となります。

『5人ずつ座ったら,最後の1脚には1人だけ座り,8脚が余りました』という場合は、余っている長いす8と1人だけ座っている長いすです。普通に考えると2つの式が出てくると思います。
【生徒の人数】=5(x-8)-4 ・・・x脚のうち8脚は使っていないので引いて、さらに座っている長いすのうち1脚は1人しか座っていないので、4人分多く数えていることになりますから、その文の4を引きます。
もう一つの考え方は、 
【生徒の人数】=5(x-9)+1 ・・・1人しか座っていない長いすの分も先に引いて、1人で座っている生徒の分を後で足すという考え方です。
どちらで考えても答えは一緒で【生徒の人数】=5x-44となります。

この考え方で作った方程式が
4x+24=5x-44 ということになります。

.

『長椅子の数』=『長椅子の数』という方程式の場合

長いすの数を出す場合には、生徒の人数をxとします。

『1脚に4人ずつ座ると,24人の生徒が座れませんでした』この時、長いすの数を表す文字式は、
【長椅子の数】=(x-24)÷4
生徒の人数から座れていない人数を引いて4で割ります。

『5人ずつ座ったら,最後の1脚には1人だけ座り,8脚が余りました』という場合、
【長椅子の数】=(x+4)÷5+8
生徒の人数のままだとあまりが出てしまいますので、座っていない4人分を足して5で割り、使っていない8脚分を足すという考え方です。

POINT 【生徒の数を表す文字式】と【長椅子の数を表す文字式】、どちらが作りやすかったですか?
多くの場合【生徒の数を表す文字式】の方が作りやすいので、一度、(↑)のように試してみた後は、迷わずそちらを選択したいですね^^

.

問題の解答

(求める過程)
長いすの数をxとすると、
1脚に4人ずつ座った場合の生徒数は4x+24、
1脚に5人ずつ座った場合の生徒数は5(x-8)-4
と表すことができる。

4x+24=5(x-8)-4
この方程式を解くと x=68
生徒の人数は4x+24なので、
xに68を代入すると296人となる。

生徒の人数 296人
長椅子の数  68脚

求める過程の書き方のポイントは、最初に何をxにしたかということを宣言すること。
そして、計算の途中式は書かないこと。途中式を書くと書ききれなくなります^^;
.