三平方の定理【中学3年生 数学】基本と重要ポイント

2020年12月23日

今回は「三平方の定理」の基本から重要なポイントまでお伝えしていきます。
三平方の定理の問題が解けない!という人、しっかりと理解して、問題が解けるようにしていきましょう!

このページの内容は中学3年生向けです。

三平方の定理 基本と重要ポイント

三平方の定理の基本はとてもカンタンです。
しかし、問題が解けない人も結構多いんですよね。

それは基本を理解していないから‥という事になります。
このページでは、基本から問題の解き方、重要なポイントまで伝えていきますので、最後まで読んでみてくださいね。

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三平方の定理 基本

三平方の定理は直角三角形の辺の長さを求められる式で、その基本はとてもカンタンです。

直角三角形の斜辺(直角の向かい側の辺・一番長い辺)の2乗は、他の辺の2乗の和に等しいということ。
上の図のcが斜辺で、a・bが他の辺‥ということになります。

式にすると、

$ a^2+b^2=c^2 $
$ c^2=a^2+b^2 $ でもOK!
一応、コレさえ覚えておけば何とかなる!という式です^^;

ちなみに、移項すると、
$a^2=c^2-b^2$
$b^2=c^2-a^2$

辺の長さを求める時には、2乗のままだと辺の長さになりませんので、
$a^2=c^2-b^2$
↓ ↓
$a=\sqrt{ c^2-b^2 }$ という式になります。

POINT下の公式を暗記しようとせず、『斜辺を求めたい時には他の辺をたす』『他の辺を求めたい時には斜辺から他の辺をひく』・・・くらいに覚えておけばOKです!

$a^2=c^2-b^2$ ⇒ $a=\sqrt{ c^2-b^2 }$
$b^2=c^2-a^2$ ⇒ $b=\sqrt{ c^2-a^2 }$
$ c^2=a^2+b^2 $ ⇒ $c=\sqrt{ a^2+b^2 }$

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三平方の定理の逆

三平方の定理の逆も本当にカンタンです。
むずかしく考えずに、そのまま受け入れてくださいね^^

三平方の定理の逆:三角形の辺の長さ a,b,cの間に$ a^2+b^2=c^2 $ の関係が成り立てば、その三角形は直角三角形である。

三辺の長さが分かれば、計算によって直角三角形かどうかがわかる‥という事ですね^^

POINT 三角形の3辺の長さが2cm,3cm,4cmが直角三角形になるか確認する場合、斜辺は一番長い4cmという事になるので、$ 2^2+3^2=4^2 $ が成り立つかを確認します。
今回の場合は、式が成り立たないので、この三角形は直角三角形ではない‥という事になります。
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特別な直角三角形

三平方の定理の問題に慣れて欲しいので、問題形式の図で説明していきます^^


特別な三角形というのは、上のような2つの三角定規のパターンです。

(1)の三角形 ※90°,60°,30°の三角形
この三角形には、1:2:$\sqrt{ 3 }$ という辺の比が成り立ちます。

辺の比で考えると、一番短い辺が「1」,斜辺が「2」‥ここまでは図で示されていますので、「$\sqrt{ 3 }$」の部分を三平方の定理で解いてみましょう。

斜辺の長さが分かっているので、使う式は
$a=\sqrt{ c^2-b^2 }$ になります。(今回はaではなく $ x $ ですが‥)

$x=\sqrt{ 10^2-5^2 }$
$=\sqrt{ 75 }$
$=5\sqrt{ 3 }$

というように、$x=5\sqrt{ 3 }$ となり、1:2:$\sqrt{ 3 }$ が成り立ちます。

重要なポイント!テスト等で出題される問題では、直角三角形で1つの鋭角が60° もしくは 30° と表示され、1つの辺の長さだけが与えられている場合が多いので、辺の比( 1:2:$\sqrt{ 3 }$ )で長さを求めることになります。

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上の説明が長くなってしまったので、もう一度上と同じ図を掲載します。

(2)の三角形 ※90°,45°,45°の三角形
この三角形には、1:1:$\sqrt{ 2 }$ という辺の比が成り立ちます。

辺の比のことを知っていれば、(2)の問題は、スグに $5\sqrt{ 2 }$ だと答えられますが、念のために公式を使って解いてみましょう。

$c=\sqrt{ a^2+b^2 }$ですので、
$x=\sqrt{ 5^2+5^2 }$
$=\sqrt{ 50 }$
$=5\sqrt{ 2 }$

1:1:$\sqrt{ 2 }$ という辺の比が成り立ちますね!

重要なポイント! こちらの三角形もテスト等で出題される問題では、直角三角形で1つの鋭角が45° と表示され、1つの辺の長さだけが与えられている場合が多いので、辺の比( 1:1:$\sqrt{ 2 }$ )で長さを求めることになります。
三平方の定理を使った辺の長さを求める問題で、1つの辺の長さしか与えられていない場合は「三角定規のパターンかもしれない‥」と考えてみてくださいね!

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一般的な三平方の定理の問題

問題を解いていきますので、一緒に考えていきましょう!

(1)の問題

この三角形で一番長い辺(斜辺)はACですので、ACの2乗からBCの2乗を引くパターンでABが求められます!!
$a=\sqrt{ c^2-b^2 }$ ←このパターン。

$AB=\sqrt{ 3^2-(2\sqrt{ 2 })^2 }$
$AB=\sqrt{ 9-8 }$
$AB=1$

(2)の問題

この三角形で一番長い辺(斜辺)はABですので、ACの2乗とBCの2乗をたすパターンでABが求められます!!
$c=\sqrt{ a^2+b^2 }$←このパターン

$AB=\sqrt{ 3^2+5^2 }$
$AB=\sqrt{ 34 }$
※ルートの中をカンタンにできる場合は、カンタンにしておく‥それがルールですっ( ゚Д゚)!!忘れずに‥

(3)の問題

三角定規の1:2:$\sqrt{ 3 }$のパターンですね!
ACの比は「2」、求めたいABの比は$\sqrt{ 3 }$ですので、
2:$\sqrt{ 3 }$=4:AB
AB=$2\sqrt{ 3 }$

基本的な問題はこのようにして解いていきます。
何となくできそうだ‥と思ったら、学校ワークの問題を解いてみましょう!
「解けそうだ」と「解ける」には大きな差があります。実際に問題を解いて「解ける」ようにしておくのが勉強のコツです。

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三平方の定理の逆の問題

例えばこんな問題があります・・・

■次の長さを3辺とする三角形が直角三角形であるものには〇を,そうでないものには×を記入しなさい。
(1)12cm,5cm,13cm
(2)4cm,5cm,7cm

このような問題を解く場合には、三平方の定理の基本の式【 $ a^2+b^2=c^2 $ 】が成立するかを確認すればOKです。
※cは一番長い辺(斜辺)

(1)の辺を $ a^2+b^2=c^2 $ に当てはめると、
$ 12^2+5^2=13^2 $
$ 144+25=169 $ と式が背率するので、直角三角形であるといえます。

(2)の辺を $ a^2+b^2=c^2 $ に当てはめると、
$ 4^2+5^2=7^2 $
$ 16+25=49 $ こちらは左辺と右辺がイコールにならないので、直角三角形ではありません。

(1)は〇、(2)は× という事になります。

こちらの問題も、できそうだと思ったら、学校ワークの問題を解いてみましょう!

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三平方の定理の利用

例えばグラフや平面図形で長さがわかならない辺の長さが求められるようになります。

そして、空間図形への利用。直方体の対角線の長さ等を求めることができます。

どちらも苦手とする人が多いので、個別に解説の記事をUPしていきます。
ひとつひとつ丁寧に覚えていきましょう!

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