文字式・方程式の利用【基本問題】練習問題・解説

2021年1月5日

【苦手克服】文字式や方程式のつくり方シリーズの練習問題です。
今回は基本的な問題ばかりです。しっかりと式を考えながら、文字式をつくることに慣れていきましょう!

この記事は、文字式や方程式の応用問題を苦手としている中学生向けの記事です。

文字式や方程式の問題の前に・・・

問題に入る前に大事なことを一つだけ伝えておきます。

それは・・・『授業を聞いたり、解説を読んで分かったつもりになっている人が多いけど、それでは"できる"ようにはならない』という事です。

例えば、あなたが早く走る方法を教えてもらったとします。・・・それで早く走ることはできますか?
プロ野球選手にホームランの打ち方を教えてもらったとします。・・・それでホームランが打てますか?

知識として、早く走る方法やホームランを打つ方法を知ったとしても、実際には出来ないですよね?
勉強もそれと同じです。

“できる"ようにするためには練習が必要です。でも、安心してください。速く走る練習やホームランを打つ練習より、ずっとラクですから。

POINT 知識だけ詰め込んで、知っているつもり‥では問題は解けません。
問題を解く練習が必要だ!‥ということを覚えておきましょう!

 

文字式をつくる練習問題(基礎篇)

今回の問題は基礎・基本の問題です。
まずはこのような文字式で、文字式に慣れ、文字式の意味を考えるということを練習していきましょう!

文字式をつくる練習問題(基礎篇)

[プリント用PDF:文字式をつくる練習(基本)]

【1】次の数量を表す式を書きなさい。※円周率はπを使うこと

(1)長さ$ x $cmのテープから20cm切り取ったときの残りの長さ

(2) $ x $ g の30%の重さ

(3)定価a円の品物を,定価の3割引きで買ったときの値段

(4)分速100mで,b分間進んだ時の道のり

(5)akmの道のりを5時間で進んだ時の速さ

(6)半径rcmの円の周の長さ

(7)半径rcmの円の面積

(8)十の位がa,一の位がbの2けたの数

 

【2】次の問いに答えなさい。

(1)鉛筆8本と120円のボールペン6本の代金は1120円でした。方程式をつくり、鉛筆1本の金額を求めなさい。

(2)アメ玉を子どもたちに配るのに,1人に5個ずつ配ると13個余り,6個ずつ配ると5個足りません。方程式をつくり、子どもの人数とアメ玉の数を求めなさい。

自力で問題を考えてから解説を読んで、理解を深めていきましょう!

 

テストで点数が取れない人の多くは練習不足になっています。
理解したつもり。知っているつもり‥で、勉強を終わらせるから点数が伸びない‥という事になってしまいます。
では、どうすればいいのか‥というと、何度も何度も練習すればいいんです。
誰でもわかることですよね?

誰でもわかることですけど、小学校の先生ってこういう事を教えてくれなかったりするんですよね‥。

 

練習問題の解答と解説

【1】(1)長さ$ x $cmのテープから20cm切り取ったときの残りの長さ

文字は何か分からない数字の代わりに使っている‥ということを意識して文字式をつくっていきましょう!
文字で式を作っていますけど、何か数字が入るんですよ。

(1)の問題なら、『長さ50cmのテープから20cm切り取ったときの残りの長さ』みたいな感じですね。
50cmなら、【50-20=30】という式はすぐに作れますよね?
その50を $ x $ にするだけなんです。

50-20 の50を $ x $ に変えると、$ x-20 $ になり、コレが答えになります。

 

【1】(2) $ x $ g の30%の重さ

この問題は、式の作り方②での説明そのままの問題ですね。
30%は元の数の0.3倍($ \frac{30}{100} $倍)ですので、単純に $ x $ に掛けてあげればOK!

答えは、$ 0.3x $ or $ \frac{3}{10}x $

 

【1】(3)定価a円の品物を,定価の3割引きで買ったときの値段

3割引き・・・って、何から3割を引くのかというと、10割から3割を引いて、残り7割という事になります。
定価の7割は、定価の0.7倍‥という事です。

百分率でも同じ考え方で、30%引きなら、100%から30%を引いて、残り70%という事です。

答えは、$ 0.7a $ or $ \frac{7}{10}a $

(2)、(3)の問題が分からない‥という人は、『割合』のことが分かっていないと思いますので、式の作り方②を読んでおくことをおススメします。

 

【1】(4)分速100mで,b分間進んだ時の道のり

みはじの計算の基本で、そこに文字を使ってあげればOKですね。

答え 100b(m)

 

【1】(5)akmの道のりを5時間で進んだ時の速さ

コチラの問題もみはじの計算の基本ですね。

答え 時速 $ \frac{a}{5} $ km

 

【1】(6)半径rcmの円の周の長さ

この問題も数字の代わりに文字を使うという事をすれば問題ないと思うのですが、ポイントは直径を半径の2倍にする‥ということです。※$ r+r=2r $ という考え方でもOK

円周は、直径×円周率ですので、答えは $ 2πr $ となります。
※ $ π $ は数字の後、文字の前に書きます。

 

【1】(7)半径rcmの円の面積

この問題も、半径×半径×円周率に文字をあてはめればOK
$ r×r×π=πr^2 $

答えは $ πr^2 $ となります。

 

【1】(8)十の位がa,一の位がbの2けたの数

この問題は苦手とする中学生もいますので、少し詳しく説明します。

十の位が5で、一の位が8の2桁の数字なら、「58」とスグに答えが分かると思います。
では、5と8を使って、どのような式を作れば「58」になるか考えてみましょう!

単純な話なのですが、5+8では58になりませんので、50+8としてあげればいいんですよね。
⇒ 5×10+8

十の位の数に10を掛けて一の位の数をそのまま足す。
そうすると元の2けたの整数になります。

答え 10a+b

 

【2】(1)鉛筆8本と120円のボールペン6本の代金は1120円でした。方程式をつくり、鉛筆1本の金額を求めなさい。

鉛筆1本の金額を $ x $ とすると、鉛筆8本の代金は $ x×8 $ 円、ボールペン6本の代金は $ 120×6 $ 円ですので、方程式は、
$ 8x+120×6=1120 $
$ 8x+720=1120 $
$ 8x=1120-720 $
$ 8x=400 $
$ x=50 $

鉛筆1本の金額は50円となります。

 

【2】(2)アメ玉を子どもたちに配るのに,1人に5個ずつ配ると13個余り,6個ずつ配ると5個足りません。方程式をつくり、子どもの人数とアメ玉の数を求めなさい。

このような問題を考える時は、最初から文字式で考えずに、まずは日本語で考えるようにした方が分かりやすいのでおススメです。

たとえば、この問題に『1人に5個ずつ配ると13個余り』『6個ずつ配ると5個足りません』となっていますが、1人に5個ずつ配って13個余るのは何ですか?6個ずつ配ると5個足りないのは何ですか?

どちらもアメの数のことですよね?同じ数を違う2つのパターンで教えてくれているんです。
ですので、作る式は、【アメの数=アメの数】という方程式になります。

子どもの人数を $ x $ 人とすると、

1人に5個ずつ配って13個余るアメの数 ‥$ 5x+13 $
6個ずつ配ると5個足りないアメの数 ‥$ 6x-5 $

アメの数は同じなので『=』で結べば方程式の出来上がりです!
$ 5x+13=6x-5 $
$ 5x-6x=-5-13 $
$ x=18 $

子どもの人数が 18人と分かったので、アメの数の式に代入します。
代入する時は、$ 5x+13 $ と $ 6x-5 $ のどちらでも同じ数になるハズ!
※同じ数にならないのであれば方程式の解が間違えているということ。

今回は $ 5x+13 $ に代入し、
$ 5×18+13=103 $

アメの数 103個 となればOK!

カンタンな問題で、トレーニングをするように、何度か解き直して、理解を深め、「できる」問題にしていきましょう!
今回の問題より少し難しい問題も掲載予定です。
そちらも頑張って解いてみてくださいね^^